治療指針:生活提言


漢方が効かない、不妊、冷え性、動悸の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



主訴は、子供の頃からある冷え、便秘、そして、流産後におこった不妊、不安や緊張ストレスによる動悸パニックのような症状である。

子供の頃から便秘がちで病院にいくほどであり、ストレスでは胃に不調がでるというように、弱めの脾気であり、肝気に影響されやすい状態であったと思われる。また手足末端の冷えが強くしもやけもおこりやすかったというエピソードにより、脾気の弱さと肝気の影響は全身にかなり強く影響し末端の気滞を生じやすかったのではないか。そしてまた脾気を温養しバックアップする腎気の弱さもあったのではないかと思われる。

10代後半からダイエットで体重を落としたり、ストレスで体重が減ったりと肝気が脾気に大きな負担をかけ続けていたが、結婚して少し精神的に落ち着き体重も下げ止まり少し増えた。タイミングで妊娠するものの胞状奇胎と言うことで流産。流産の手術時、途中で麻酔が切れるというトラブルがあり強い痛みに襲われた。そのトラウマからか精神的に不安定になり、緊張やストレスなどによって動悸やパニックのような症状が出現。同時に高音の耳鳴り、眠りにくさ、眠りの浅さ、身体のだるさ、などが出現。流産によってもともとの弱さがあった腎により負担がかかり肝鬱も強くなった。このため気逆がおきやすくなり、心気をつき動悸やパニックの症状が起きやすくなったと思われる。







体表観察からも、手足の強い冷え感、復溜の冷え、三焦兪の抜けなどからは腎気の弱さがうかがわれる。舌の淡白膩苔やや戦アリ舌裏怒脹ありという状態から陽気不足と内湿、瘀血の可能性がうかがわれる。これは脾募の状態、脾兪のきつい陥凹中脘の固い冷えからも脾気の弱さと符合する。また手足末端のきつい冷えに反してお風呂などでのぼせやすく大椎は熱感があり腠理の疎、切診をしていると汗がでやすいということから、全身のくくりである肺気の弱さも感じられる。

腎気を中心とする気虚が背景にあり脾気の弱り肝鬱もある状況での、強い精神的なストレスが心をついた状況であったので漢方などでもなかなか大きく変化し改善を実感できなかったのではないかと思われる。

妊娠に向けて腎気を底上げすることで、脾気へのバックアップ、肝気の納まり、心気の上逆が納まることを期待したい。また肺気のくくりが弱いことが肝気の上逆や気虚を進めやすくしていると思われる。




弁証論治



弁証:腎気を中心とした気虚 肝鬱心熱

論治:益気補腎  疏肝理気 清心熱







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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