妊娠ー出産は腎気の支えが主導でおこなわれます。
とくに出産は大きく気血の損傷を伴い、腎気を大きく落としてしまう可能性があります。
順調な経過であれば生理的な範疇として回復基調にのれますが、場合によっては、大きな気血の虚損から
回復できない場合があります。
本症例は、
もともとの腰痛が妊娠で少し悪化するも、無事なご出産で出産後も回復がよく
元気だったという状態であったのに、産後、気血が大きく損傷している間に、寒邪の侵襲を受け、
1-2週間下痢が止まらなくない状態になっています。産後の生理的な腎気の弱りの状態であったところに
風邪を引き込んだために、腎気の弱りの回復が非常に遅れてしまったと考えられます。
産後より、チョコレートを毎日食べてしまうなどという脾気を弱らせる食生活が、より
産後の回復や風邪の治りを悪くし、産後の気血の虚損が回復しがたい状態になったうえに、風邪が内陥した状態と
なり、腎気が回復せず、だんだん悪化する腰痛、身体のだるさとなっていると思われます。
まず第一に内陥した風邪を取り去ること、産後の腎気の虚損を立て直すことが肝要かと思われます。
弁証:風邪 腎虚
論治:去風邪 補腎
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