右腰が痛くなりやすい弁証論治


右腰が痛くなりやすい弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



治療は補腎・補気を中心とし、風邪の反応があれば肺気を応援する。

生活面では、当分お孫さんの世話で忙しい日が続くと思われるので、疲労を 溜めすぎないように気をつけてもらい、大きく体調を崩さないことを目標に する。お孫さんが成長し自分の時間が取れるようになったら、腎気を養う ための生活を作ることに取り組んでもらう。




生活提言



○○さんは、ご自身が大病を経験しつつも、ご家族を支える中心的な役割を 担われているようで、ゆっくり休む時間もなかなか取りにくかったかと思い ます。お疲れさまです。

今一番つらい症状は、中腰の姿勢を続けると右腰に痛みが出る、とのこと。 お孫さんを抱っこする等、肉体的な負荷が増えたことも要因の一つでは ありますが、その背景には慢性的な疲労が大きく関わっていると思われます。 そのため、痛み自体は休めば治まるけれども、すぐにぶり返すということが 長い間、続いているのでしょう。







今までのお話から察するに、10年ほど前から、疲労を溜める生活になって いたようです。疲れを翌日に持ち越すことが続くと、身体の余力がだんだん なくなっていきます。なぜ疲れが翌日に持ち越されるかと言うと、一日の 活動量・疲れが、一晩で回復できる量を上回っているからです。

疲れていると、身体は休みたがります。ところが忙しく生活をしていると 休んでいられないので、意志の力で身体を支え、動かすことになります。 人にはそれぞれ、利き手・利き足・利き目等があるように、使うのが得意な 部位があり、頑張りやすいところがあります。疲れた身体を無理に動かそうと するときは、その頑張りやすいところにどうしても頼りがちです。そのため、 身体の左右バランスの偏りがきつくなり、左足裏にタコができたりと左右差の 症状が気になるようになったのでしょう。

風邪をこじらせて肺炎になったことも、身体の余力がなくなったことが 大本の原因です。そして、点滴で肺炎は治まったとのことですが、お身体を 診たところ、まだ肺炎のときのダメージが抜け切っていないようでした。 肺炎以降、風邪を引いていないということですが、実際は、風邪の症状を 出しにくくなっているという可能性があるので、少し注意が必要です。

しかしながら、治療により手を入れるたびに、お身体は変化・反応をして いましたし、食欲や便通・睡眠にあまり問題が出ていないということから、 生活を調えさえすれば、十分に回復できる可能性を感じました。







ただ、来年にはお孫さんが増えるとのことで、ますます忙しくなり、 自分の時間を作ることや休む時間の確保が難しくなってくるかと思います。 ですので、お孫さんがある程度成長し、手がかからなくなるまでの期間は、 できるだけ疲れを溜めこまないようにして、大きく体調を崩さないことを 目標に生活されることをお勧めします。

そして、ご自身の時間が作れるようになったら、身体の余力を回復させる ための生活作りに取り組んでいかれるとよいでしょう。







養生をする上で、食べられること・消化できること、眠れることは、とても 重要な柱になります。ここを大切に守りながら、活用していきたいところです。

ただ、お身体から、少し胃腸に負担がかかっているように見受けられたので、 食事量や間食を減らすことをお勧めします。疲労回復の助けになるとともに、 胃腸を休ませ健やかに保つことに繋がります。疲れを感じたときや右腰の 痛みが出やすいときは、特に意識されるとよいでしょう。

そして、できるだけ睡眠時間を増やしましょう。早く眠れるときは眠り、 お孫さんと一緒にお昼寝をするのも良いと思います。朝、目覚めたときに 疲れが残っていると感じた日は、早く寝るために段取りをする等して、 調整してみてください。

また、リビングにあるトランポリンで(跳ぶのではなく)足踏みをするのも 良いと思います。通りかかったら少しやってみる・テレビを見ながらやる・ 好きな曲を口ずさむ間だけやる、という感じで、ちょこちょこ楽しめる範囲で やってみてください。身体の左右差をほぐすイメージ、負荷のかかりがちな 腰・肩・首が緩むイメージを持つと、より効果的です。ちなみにこれは下肢の むくみの軽減にもいいです。







鍼灸治療は、身体の治ろうとする力を応援しますし、ご自身の身体の声に 耳を傾ける時間にもなりますので、定期的に取り入れてもらうと養生の支えに なると思います。

お孫さんたちとの大切な時期、楽しく快適に過ごせるといいですね。







主訴:問診

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切診

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病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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