耳が遠くなった・肩こりが気になる弁証論治


耳が遠くなった・肩こりが気になる弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



治療は補腎・補気に努める
ご本人には食の節制・散歩等、生活習慣の改善を心がけてもらう




生活提言



○○さんは、便秘がちではありましたが、月経で苦労された記憶もなく、元気に過ごされてきたとのこと、ありがたいですね。

しかし、閉経後から、肩こりが徐々に気になるようになり、足の冷えも感じ、最近では耳が遠くなったのが特に気になるとのことでした。

身体は加齢とともに、勢い・疲労回復力が少しずつ減り、身体全体のエネルギーも少なくなっていきます。そんな中で、閉経は、月経を起こすためのエネルギーを節約することで、身体を守ろうとしているとも言えます。

しかしながら、○○さんは若い頃から変わらない食欲・生活が続いていたため、一日の疲労に対する回復が徐々に追いつかなくなったのでしょう。そのため、少しずつ疲れがたまっていき、身体は本当は休みたいのだけれど、今までと同じようにがんばろうとするため、肩に力を入れて動くことになり、肩こりが気になるようになったのだと思われます。

上の方に気が集まり滞りやすく、そして下半身の気も滞りやすい状態のため、足の冷えも感じるようになったのでしょう。

整体に通う間隔がだんだんと短くなっていったのも、自力でがんばれる期間が短くなったためと思われます。本来であれば、休んで時間をかけて回復するところを、整体で動けるようにしてもらったために、回復する間もなく再び活動できてしまうので、深い部分の疲れをそのまま持ち越してきたと言えます。







そんな中、糖尿病と診断されたことをきっかけに、食生活を見直しダイエットをした際、便通も良く身体も軽かったとのことでした。

このことから、おそらく○○さんの身体には、この頃の食生活が適切で負担のないものだったと推測されます。

そして、今までの便秘は食による負担が原因だった可能性も大きくなりました。

しかし、再び元の生活に戻り、体重も増え、便秘がちになり、ある年の冬、ひどい便秘になったとのことでした。冬という季節から、風邪や冷えが重なった可能性もありますが、大本の原因は食による負担と疲労の蓄積と思われます。

サプリの助けにより便通が毎日つくようになったものの、生活は今まで通りだったため、身体の力は少しずつ衰えていき、最近は便通が2日に1回になってきており、サプリの助けが追いつかなくなってきたようです。

耳が遠くなってきたのも、疲労の蓄積が続き、身体全体の力が落ちてきたためと思われます。 今のままの生活を続けると、便秘もきつくなり、ともすれば他の症状も出てきてしまいかねません。

ただ、今の身体のペースに寄り添うように、生活習慣を見直すことができれば再び回復できる可能性は、糖尿病時のダイエットですでに証明できています。

しかしながら、厳しい節制は短期的には実現しやすく効果も高いですが、長く続けることはできません。そして、どのくらい・どんな方法なら苦痛なく実行できるか、それは○○さんご自身にしか分かりません。

まずは、糖尿病時のダイエットで試した方法の中で「これなら気楽に続けられそう」という方法を再び始めてみてはいかがでしょうか。

食による負担を減らすことができれば、おそらく便秘になる回数も減っていくと思われます。気長に、できれば楽しみながら、あれこれ試していきましょう。







また、ご主人の仕事に合わせて夕食が遅くなったとき、翌朝お腹が重くなるのは、負担となっているサインですので、対策が必要です。

食べる量を減らすか、もしくは事前に軽く食べておき遅い時間に食べる量を減らすか、いつもの時間にいつもの量を食べるか…。翌朝、お腹が重くなるかならないかで、ご自身で効果判定しやすいので、いろいろ工夫をしてみてください。







そして、上に気が集まり滞りやすく、下半身の気も滞りやすい状態を改善するためには、散歩を日常的にすると良いです。まとめて長時間やるよりも、短くても良いので毎日コツコツと続けるのが効果的です。これからの季節は気温が高くなるので無理に外を歩く必要はなく、涼しい店内を歩くのでも良いでしょう。以前、やっていたという青竹ふみも良いと思います。

下半身を地味にコツコツと動かすことで気がめぐりやすくなります。そしてそれは、上で滞っている気も流してくれますので、散歩を続けることは、○○さんにとっては、肩こりや足の冷え、そして冬のこむらがえりも起こりにくい身体作りに繋がり、胃腸を健やかに保つ助けにもなるでしょう。







また、細かい作業がお好きとのことですが、目の奥が痛くなるほどやるのは、身体に負担がかかっている証拠です。タイマーなどで時間を区切り、目の奥が痛くならない程度に控えましょう。







○○さんは、いくつかの症状を抱えてはいらっしゃいますが、それでもバランスよく快活に過ごしていらっしゃるようで、とても素晴らしいと思います。

できるだけ症状は少なく・軽く、これからも生活を楽しみながら過ごしていただけるよう、大事なところを押さえつつ、生活習慣を調整するお手伝いができるといいなと思っています。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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