起老園先生腹診述法

【大腹】腹痛 切痛 絞痛 卒痛 急痛 急結 掣痛


腹痛というのは、激しい痛みではありません。たいていは停滞している瘧です。ですから部位が決まってはいません。

切痛というのは、耐え難いほど痛むものです。この症に大黄消石が主る症があり、附子甘草が主る症があり、膠飴が行くものがあります。手に覚えがなければわかりません。

絞痛というのは、掴み寄せるように痛むものです。毒が凝っているものです。附子の症がたいていは多いものです。

卒痛の多くは食物にあたったものです。巴豆や甘遂の証があります。

急痛は絞痛のようなものですが絞痛とは異なり指し込みがある証です。

急結というのは、締まり結ぼれた症です。急に結ぼれたものではありません。急というのはすべて忽(たちま)ちという意味ではなく、激しいという意味を含んでいる言葉です。

掣痛というのは、稲妻が忽ち光ったり忽ち消えたりするように、痛みに差がある症です。毒が臍を繞って痛みます。臍に毒がついて絞り寄せるように痛む症です。



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