治肝風四法





肝気の問題によって起こる症状の多くは、気が上って頭頂を冒すもので あるが、四肢に気が走るものもある。上を冒すものの原因には陽亢によ るものが多く、四肢に走るものの原因には血虚によるものが多い。けれ ども内風が非常に強いと火になる、気が有余となると火になるのである。 私は(王旭高)これを、肝気・肝風・肝火と名づけているが、三者の根 本的な原因は一つであり名前が異なっているだけのことである。けれど もその病状には違いがあるので、治法にもまた当然違いが出てくる。







熄風和陽:たとえば初めに肝風が起こり、頭目が昏眩するものには、 熄風和陽の法を用いるとよい。羚羊角・牡丹皮・甘菊・釣藤鈎・決明 子・白しつ藜で肝の熱を冷やしてとるのである。

熄風潜陽:もし熄風和陽の法で思うような効果が現われない場合は、 熄風潜陽するべきである。たとえば、牡蛎・生地黄・女貞子・玄参・ 白芍・甘菊・五竹を用いる、培土寧風の法である。これによって肝を 緩めるのである。

養肝:肝風が四肢に走り、経絡が痙攣したり痺れたりするものには、 養血熄風するのがよい。生地黄・当帰身・枸杞子・牛膝・天麻・製首 烏・三角胡麻で、肝を養うのである。

土を暖めて寒風を御す:たとえば《金匱要略》の白朮附子湯の効果 を狙ったものである。風による虚証の頭重・眩暈を起こして非常に苦 しみ、食べものの味覚を喪失しているものを治療する。これが土を暖 めて寒風を御すということであるが、肝を治療するものではなく、実 は中焦を補う方法である。









一元流
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