経行吐衄の弁証






弁証のポイント



この症状は、火熱による疾患に属します。一般的には、吐衄の発生 時期・血色・血量・ともに現われる症状によって、その虚実を弁別します。







肝火によるものの多くは、月経前あるいは月経時期に吐衄が現われ ます。その量は比較的多く、色は紅く、質は粘稠で塊があります。また肝 郁化火にともに現われることのある症状として、心煩易怒・口苦咽乾・頭 昏目眩といったものがあります。またこの脉状の多くは弦です。

肝気が逆したことによるものの場合、誘因として非常な怒りが必ず あります。また、胸脇脹満といった症状を伴うことがあります。

胃火によるものの多くは、月経前あるいは月経時期に吐血が現われ ます。その血色は暗紅であり、その量は比較的多く、血中には食物などが 混じっていることがあります。また胃火のものには口臭や便秘を伴って見 られることがあります。

虚火による吐衄のものの多くは、口燥・痰の伴わない咳嗽・潮熱・ 頬骨部の紅潮などを伴います。またその脉状の多くは細数です。

もし長期にわたる病で、陰も気も消耗している場合、その体質によ ってさまざまな症状が現われてきます。そして虚実が交錯した複雑な症状 を呈するようになります。









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