産後痙証(産後の痙攣)




産褥期に突然、項背の強直・四肢の抽搐・牙関緊閉〔訳注:歯 をしっかり噛み締めた状態〕・角弓反張〔訳注:痙攣してえびぞりになっ た状態〕といた症状がおこるものを、「産後痙証」あるいは「産後発痙」 「蓐風(じょくふう)」などと呼んでいます。







もしこの症状が、項背部の強直や四肢の抽搐だけであれば、そ れは軽症です。これに牙関緊閉・角弓反張が加わった場合は、比較的重症 であると考えます。さらに抽搐の発作をくり返し、珠のような汗を流 し、四肢が厥冷して呼吸が微かになってくると、これは非常に重症であり、 一刻を争う状態であると考えなければなりません。







産後、邪毒に感染したために痙攣発作をおこした場合は、その邪毒 が内に臓腑に伝わり心を攻めていきますので、その病状は極めて速く悪化 することがあります。もし高熱を伴うような場合には、生命の危険があり ます。









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