産後の便秘の病因病理






病因病理のポイント



産後大便難は、血液や津液の虚損、あるいは陰虚火燥によって、腸 が潤されなくなり、大便が燥いて結して出難くなっているものです。また、 出産による気虚によって、大腸がその伝導機能を失調し、数日間便が出な くなっている場合もあります。




血虚津虚



多くは出産前からの血虚があり、さらに出産時や産後の出血過多に よって、血も水もともに降ったため、あるいは産後の多汗が血液の状態に 影響を与えたために、陰液が虚損し、腸を潤すことができなくなったもの です。これがいわゆる、水がないために船〔訳注:大便〕を運航できない 状態であり、大便が燥結して出難くなっているものになります。




気虚失運



多くは素体の気虚があり、出産時に気が消耗し、気虚がさらに甚だ しくなって、大腸の糟粕を伝導させる機能が弱まり、大便を送り出すこと ができなくなったものです。またあるいは、津液や血液の虚損によって産 後数日間大便が出難くなっているものです。




陰虚火燥



多くは素体が陰虚であり、出産によって血も水もともに降り、陰液 がますます虚したために、その陰虚によって火が盛んになり、内に津液を 灼き、津液がさらに少なくなって、腸が潤いを失い、大便が非常に渋って 出難くなっているものです。









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