産後の下痢の弁証のポイント




瀉下された便の性状によく注意を払い、また瀉下した時の腸鳴や腹 痛の有無に注意します。これにその他の証候および舌診・脉診を考えあわ せて弁証を立てていきます。







産後、排便の回数が増加し、下痢状で、精神的な疲労感や倦怠感が あり、食事をすると腹部に脹満感があり、淡白舌薄白苔で、その脉状が緩 弱のものは、脾虚湿注証です。

もし下痢が非常に希薄で透明で、腸鳴や腹痛を伴い、胸がつかえて 食欲が減少し、あるいは悪寒発熱して頭部や全身に疼痛があり、白膩苔で、 その脉状が緩弱のものは、寒湿内盛証です。

もし腹痛に従ってすぐ下痢し、便が黄色く臭いがありあるいは水様 便で、肛門に灼熱感があり、口渇して尿が赤く、黄膩苔で、その脉状が濡 数のものは、湿熱下注証です。

もし腹痛に従ってすぐ下痢し、卵が腐ったような臭いがし、腹部の 脹満感、げっぷして食欲が減少するといった症状を伴い、苔が垢づいて汚 ならしく、その脉状が沈弦のものは、食傷胃腸証です。

もし明け方に腹痛に従ってすぐ下痢し、未消化便で、寒を畏れ四肢 が厥冷し、腹部を暖められることを好み、淡白舌薄白苔で、その脉状が沈 遅のものは、腎虚火衰証です。









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