産後蓐労




産後、体質が虚弱となり、呼吸が浅く疲れやすく・悪寒発熱して瘧 のようになり・頭痛・自汗・全身の倦怠感・咳嗽・気逆・胸中のつかえ・ 腹部の絞られるような痛みや刺痛といた症状を呈するものを、「産後蓐労」 と呼んでいます。







産後は、気血が耗消され、津液が虚損しますので、体質的に弱って いるものです。けれども、飲食を充分摂取して、脾胃が正常に働き出すと、 失われた気血津液が徐々に回復してきます。ですからこのような症状を呈 していても、適切な治療をし適切な休養をさせることによって、気血の調 和がとれ、臓腑の機能が正常になり、陰陽のバランスがとれてきます。虚 損のものに対する治療を失敗したり、長期間治療しても治らなければ、気 血両虚の状態となります。さらに、臓腑が虚損し、陰陽のバランスがとれ なくなると、さまざまな症状が現われきて、徐々に蓐労となっていきます。 蓐労の患者は、癆虫〔訳注:結核菌〕に感染すると、肺臓を虚損しやすい ので、治療をしていく際にはよく注意しなければなりません。









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