臓腑と経絡





そもそも六臓六腑は体中深くそれぞれ独特の形態をもって存在しています。その六臓六腑の性格を受けながら中焦から経脉は一連の流れとして流れているという記載が《霊枢・経脉》には述べられているということにはすでに触れました。

臓腑と経絡とを陰陽関係として把える考え方は、全身を一元の気として把えて、内なる臓腑・外なる経絡という形で内外の陰陽関係で考えていくものです。

けれども正確には、臓腑間をつなぐ内なる経絡についても古典には記載されていますので、内外を分ける分岐点はどこなのだろうという疑問がわいてきます。

また、臓腑と経絡とどちらが先にできたかなどということも、議論としては成立しえます。

さらにあるいは、一元の気のうち、その精微なるものは臓腑として結晶し、軽微なるものは経絡としてその臓腑の生命力を表現し、かつ、四肢百骸を構成しているとも考えられます。臓腑と経絡との問題について整理すると、これが一番正確な表現となりましょう。






それはさておき、臓腑と経絡とを陰陽関係で把えようとするときには、臓腑という内と経絡という外との関係として考えることが一般的です。そして、経絡は臓腑の生命力の外的な表現であり、臓腑の気の盛衰を経絡を通じて把握することができるということが、東洋医学の基本的な概念となっています。

ここから、体表観察という、生命そのものを生きたまままるごと把握しようとする診察方法が編み出されました。











一元流