《医宗金鑑》の営衛






《医宗金鑑》呉謙編:清の乾隆年間


《医宗金鑑》は、清代の国家によって編纂された代表的な医学叢書です。ですからこの言葉は、破綻のない平均的な営衛観を描いているものと考えられます。また、歴代の医家の論を比較検討してみても、中庸を踏まえたあぶなげない論であるといえます。



営衛の二者はともに胃中の後天の谷気から生じます。その気の清なるものは営であり濁なるものは衛です。衛は気のうちの剽悍なものであり、営は血中の精粋です。その定位置である「体」でいえばすなわち気血と呼ばれ、その流行する「用」でいえばすなわち営衛と呼ばれます。営は脉中を流れますので陰に属し、衛は脉外を流れますので陽に属します。また、営衛の流れの大本をたずねるとこれはともに腎中の先天の気に基づいていますので、気という言葉を付して営気・衛気と呼んでいます。







2005年 4月24日 日曜   BY 伴 尚志


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難経研究室 営衛論 次ページ