肝木の身体観


肝木の身体観


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東洋医学は生命をありのままに捉えようとしてきた。その生命の構造的な捉え方には、『黄帝内経』によって唱えられた臓腑経絡学が基本となっている。その臓腑経絡学を基礎とした上で、李東垣が中心となって唱えた脾胃を中心として捉える方法、『難経』の作者が唱え江戸時代の味岡三伯医学塾で展開され広岡蘇仙の『難経鉄鑑』で詳述されることとなった腎―命門―三焦を中心として捉える方法が有名である。

この論文はそれらを基礎とした上で、人間の生きる意志である肝を中心とした生命の構造的な捉え方を紹介し解説していく。個人の人格が尊重される反面、個人の責任で対処しなければならないことがらが増加し、人生も個人の自由に任されている現代。さらには時代の速度が速くなりそれについていくのがやっとの人間が増加し、100年前であれば生存そのものが危かったような人間が医学の力で生きることを赦されている時代。

自己の本来の生命の力量を超えた生に対処するために人々は疲れ果てながらも頑張り続けている。その頑張るという部分を担っているものが人身における肝である。

肝には、他臓を傷つける横暴な側面が強調されるきらいがある。この論文では、他臓を養い励まし、時代の要請ばかりか自己実現をも担う肝の役割に注目し、その重要性について論じている。

■目次


        abstract

        抄録

        目次

        東洋医学の身体観について

        肝木を中心とした身体観

            一である人を五つの観点から見る

            天地を結び天地に養われる肝木

            肝は人の生きる意志

            肝の活動を支える脾腎

            現代社会の病

            肝鬱は邪気か

            肝の化粧

            肝鬱二態

        注釈












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