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【目的】
肝の臓象を複雑に感じさせる「生きる意志」に焦点を当てて、肝の生理 と病理を整理することで、よりリアリティのある肝の臓象に迫りたい。
【方法】
10年以上にわたる一元流勉強会において、患者さんをより深く理解する ために多数の弁証論治が作成されてきた。その作成過程においてやり取 りされてきた質疑応答を基に、肝の臓象を「生きる意志」を軸に整理する。
【結語】
生理的な肝気の張りと肝鬱を含めた病的な肝気の張りは表裏一体の同じ 肝気である。その肝気のあり様を病的と捉えるか、生きるための前向き な意志の表れと肯定的に捉えるかは、どの側面からその肝気を捉えるか によって異なる。
感情と関係し、生きる意志を体現しようとする肝は、その人の生き方を 決めるものであり、人間のあり様を考える時には、とても大きな役割を 果たす臓である。そのため、肝の臓象を理解することは、患者さんをよ り深く理解する上でも大変役立つものである。
【目次】
第1章 はじめに
1.1 目的
1.2 方法第2章 肝の特徴的な生理
2.1 魂を蔵するがゆえに気の昇降出入を主る
2.1.1 センサーとしての肝気
2.1.2 生命本来の防衛としての肝
2.1.3 欲求を体現しようとする肝
2.2 血を蔵す
2.3 筋を主る第3章 病理へ
3.1 肝木の身体観
3.1.1 肝木の身体観から見る肝気のあり様
3.1.2 肝と他の四臓の関係
3.1.2.1 表としての肝気を裏で支える脾腎
3.1.2.2 肝と心肺の関係
3.2 肝気を張ること
3.3 肝気を張ることに伴う気の偏在
3.3.1 肝気の張りと肝鬱の関係
3.3.2 肝鬱の正の側面
3.3.3 肝気の張りと肝鬱による負の側面
3.3.4 見せかけの肝気
3.4 肝気を張れなくなる
3.4.1 身を削って頑張り続ける肝気
3.4.2 命を守るための防衛策としてのうつ病
3.4.3 漢方の見地からの考察第4章 養生
4.1 肝気の使い方 4.2 裏の充実 4.3 肝気と器 4.3.1 感情とどう付き合うのか 4.3.2 ストレスと好きなこと 4.4 心身一如 4.4.1 臍下丹田 4.4.2 鍛えること
第5章 おわりに
5.1 まとめ
5.2 今後の課題
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