下焦精蔵 第六節 牙齒白色




思うに歯は骨の余気で、腎が司るものです。腎は北方の水気で黒臓です。その水気を受けた牙齒の色がどうして黒くなくて白なのでしょうか。

これは陰陽の自然から出ているもので、常の理に求めるべきことではありません。けれどもまたその理を推測してみることも一興です。

そもそも牙齒は骨の余気です。腎に属し陰に属します。であれば裏に隠れて下に生じるべきです。それがかえって上体に生じて肉外に出ているわけですから、これはもっぱら肺気の化によって生じているものとするべきです。肺は金とし、腎水の母とし、その色は白です。ですから牙齒の原〔訳注:もと〕は腎陰に属するわけですけれども、その生ずるところの母金の白色の気化を受けて、このようになっているわけです。



一元流
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