下焦精蔵 第二十七節 気化形化




婦人が妊娠して第一月から男女の形質が具わるわけではありません。妊娠して一月は白露のようで、二月は桃花のようで、三月で始めてその兆しが徐々に生じてきます。鶏卵のように始めから形があるわけではありません。日月を積んで徐々にその形を生じます。

始めに先ず生じる胎形は、五臓においては腎です。形においては頭鼻です。ここから次第に生じて諸蔵全身がしっかり具わります。このため、ものの長を頭と呼び、ものの始めを鼻祖と呼んでいるわけです。







ある人が、太極が分かれて天地が位置し、五行が備わって万物が始めて生じるには、必ずその種があってそうなるのでしょうか違うのでしょうか?と聞きました。

答えて言いました。種があります。気が種となるものがあり、形が種となるものがあります。天地が開き、始めてものが生じるときには、すべて気を種とします。これを気化と名付けています。万物がすでに生じた後、物から物を生じるときは、その形気を交え合わせてこれを種とします。毎年決まった季節に生じるもののように、物から物を生じるものを、形化と名付けています。たとえば、箱の中に自然に小虫が生まれでるものは、気を種として生じているので気化です。現代において考えると、松や柏を生じる土地があり、竹類をよく生じる土地がありますが、これらはみなその土に気化の種があるためです。そもそも草木虫魚に至るまで、形化の種なくして自然に生ずる物はことごとく気を種としてでるものです。人が産まれ出た始めは、陰陽の気を種として自然に化生したもので、これは気化です。すでに一男一女が化生されていれば、これが互いに形気を交合し、人から人を生じていますから形化です。箱の中において、自然に小虫が始めて生じた後、その虫から虫を生じていくつにもなるものは形化です。

開闢の始め、人身や万物が始めて生じたものは気化であって、人が人を、物が物を生々して尽きないものは、形化となるわけです。



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