上焦神蔵 第三節 天神




〔訳注:人の〕神の本源はどこから来たのか探求していくと、天地が開闢し人が始めて生じたときには父母がありませんから、下焦精蔵で弁じたとおり、たとえば一器の中に虫が始めて自然に生じるように、天そのものを父とし地そのものを母として、人の形が始めて生まれ出たものです。その時に賦与された神は、天から直接受けた神気です。一男一女が生まれた後は、人から人を生じ、人の神から人が神を受け継ぐわけですけれども、上古に人が始めて生じたときに直接天から受けた神気はそのまま保たれていて、それを次第に伝えて次第に受け継がれているわけです。

ですから今日、私が人の父から受けた神は、天から直接賦与された神気と同じものであると言えます。そもそも天と人は一体であって、私が人の父母から受けたところのものは、すべて天地が賦与したところのものなのです。学ぶ者はこの理をよく理解していなければなりません。



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