中焦穀府 第一節 第二節 水土一体




父の一滴の精液が妙凝して人の胎は始めて生じます。これを「天一水を生ず」と言います。すでに胎気ができあがって後、それを成就させ養っていくものは土です。草木の類や一切の万物はすべてこの土によって形を成就し、土によってその形を養います。このため土は万物の母とされています。けれども乾いた土には物が生ずることができません。土中に水湿の潤いがあることによって、物が生じることができ、物が養われるうるのです。ですから万物の体は水から受けて水土あい合してその形体を成就しその形体を養い保つわけです。これを「水土一体」と言います。

五行の生数は、水は一 火は二 木は三 金は四 土は五とします。これは五行が始めて生じるところの数です。この五行の生数にそれぞれ五の数を加えて、水は六 火は七 木は八 金は九に成ります。これは五行の気がすでに生じてその形を成就するのは土によって成るものであ〔訳注:るということを表してお〕り、これを成数と名付けています。土は生成ともに五番目の数です。その理由は、土は四行を成就せしめる本だからです。

万物の道は、その先天は天一の水に始まり、その後天は土によって成ります。ですから人身における中焦脾胃という土は中央に位置して、天の生を養い、命を保つ根源となるわけです。



一元流
医学三蔵弁解 前ページ 次ページ