第十三章 五行論
第四節 四季と五色




花は春とします。春の色は青です。けれども花は紅ということで、おおよそ、花は赤を本色とします。赤は夏の色です。また菊にはさまざまな色がありますけれども、おおよそ、菊の花は黄色を本とします。黄は土の色です。冬は水が旺んな時です。水の色は黒ですけれども、冬の雪は白い秋金の色です。四季の色が物に移る時、あるいはその時期より進み、あるいはその時期に遅れる理由は何でしょうか。

そもそも陽火は進み陰金は退きますので、夏火の色は進んで春に現れ、秋金の色は退いて冬に現れます。長夏の六月の陰土の気もまた後れて秋に現れることとなります。ですから花は紅く菊は黄色で雪は白いわけです。



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