第十三章 五行論
第五節 黒い花がないこと




門人が聞いて言いました。花に青赤黄白があって黒だけがないのはどうしてなのでしょうか。

答えて言いました。黒は北方の水の色です。水は草木万物の母です。ですからその気が本に留まって本を養うわけです。たとえば人の母は常に家にいて内を守り外に勤めに出ませんが、その子は出て外で勤めます。同じように水はその根を守り外の枝葉に出現しません。ですから水の黒色だけは花や葉に現れないのです。



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