漢の張仲景の《傷寒論》は全書ではないということは、元の王履(おうり)安道(あんどう)〔訳注:一三三二年~一三九一年〕の《医経溯洄集(いけいそかいしゅう)》に詳細に明かされています。けれどもその言葉は深淵で、初学者にはすぐ明確に理解できません。ですから今、童蒙(どうもう)のためにふたたび諺解しましょう。
また近世の庸医には、傷寒の陰症陽症を誤解している者が少なくありません。これについても正させてください。