肝の病理






肝気鬱結(実)



原因

七情内傷(怒、思):肝失疏泄

痰湿瘀血:肝経に停留する

病態

肝気鬱結(気滞が特徴)

脹痛、遊走性と関連、情志変化

肝経が阻害される:胸脇脹痛、梅核気、乳房脹痛、腫塊、睾丸脹痛、生理痛、小腹痛。

◇肝木乗土

肝気犯胃:脘部疼痛、悪心嘔吐、噯気、呑酸
肝気犯脾:腹痛、下痢、下痢したあとに腹痛が軽くなる。




肝火上炎(実)



原因

肝気鬱結が長時間あるいは激発し、火に化した

激怒:→肝気の昇発太過→肝火を引き起こす

五志太過:→長期間→内火を生じる→肝火を引き起こす

病態

肝火上炎が犯すもの

頭部面部を犯す:激しい頭痛、頭脹、眩暈、目赤、突発性難聴、耳鳴、顔面紅潮

肺、胃、血絡を損傷する:喀血、鼻血などの急性出血。

全身の熱性症状:口渇、口苦、怒りやすい、イライラする、便秘、不眠など。




肝陰不足



原因

肝火上炎:陰、津液を損傷する→肝陰不足

五志異常により、内火を生じ、肝陰を損する

病態

肝血不足:筋脉失養→関節屈伸不利、痺れ。
眼晴失栄:目がかすむ、乾く、視力低下。
血虚生風:皮膚掻癢、痙攣など。

肝陰虚弱:肝陰が肝陽を治められないー肝陽上亢となる
肝陰虚(下虚):腰膝だるい、無力、遺精、
肝陽亢(上盛):眩暈、耳鳴、顔面紅潮、情志不安定、脉弦細数




肝風内動



肝陽上亢:陽の昇動太過→肝風内動

(軽症)筋肉ぴくぴく、手足の振戦、顔面筋、項部筋の痙攣
(重症)激しい頭痛、手足痙攣、人事不省、昏迷(脳卒中)

肝気鬱結(肝はもともと、発散疏泄が大事)
 ↓
 ↓火に化す
 ↓
肝火上炎→→→火の昇動太過
 ↓
 ↓陰の消耗
 ↓↓
肝陰不足
 ↓↓
肝陽上亢
 ↓↓
 ↓↓陽の昇動太過
 ↓↓
肝風内動(内風)











一元流