第三診


頻尿の弁証論治(第二診)






前回処置後の話



当日、微出血。生理かと思ったがそのまま止まり、翌日から生理になる。

いつも2、3日目が多いのだが、今回は、だいぶ少ない。

やっと本日から量が少し増えた感じ。

夜はよく眠れる。

食欲および排尿状態に変化はない。




処置前



【舌診】

淡紅から淡白

薄白苔(粗い感じ)

歯痕

前回より舌そのものが大きく感じる


【脉診】

右関上:動脉

両寸尺に異常はない。

左関上にやや弦か

前回よりも脉力がある


【経穴診】

左通天:緩み

左後谿:冷え

右ババ神門:堅し

左神門:堅し

右>左列缺:脹れて堅い感じがする

右臨泣:堅し

左太衝岐部:堅し

右>左太衝脹れ:緩み;陥凹

右>左公孫陥凹:右公孫には奥の筋に緊張が見られる。

左足三里:陥凹:大きい


【背候診】

両心兪:発汗

左三焦兪:裂

筋縮:脹れて動き悪し

右脾兪:堅く動き悪し

右腎兪:堅く動き悪し


【腹診】

心下冷え、堅さあり。前回の三分の一

脾募はましにみえる。

ただし、梁門から不容にかけて陥凹しているようにみえる。これはただ大きな腹部が縮んでいく姿なのかもしれない。


左太巨冷え

肝の相火はない




処置



【処置1】

左通天:10番一寸

左三焦兪:1寸三番

筋縮:3番短鍼

命門:附子餅

左腎兪:打鍼

左脾兪:打鍼


【処置1後】

右関上の動脉半減

左関上の弦脉は取れる


右後谿:冷え取れる

右ババ神門:緩む

左神門堅い範囲が半減するも堅さは変わらず。

右臨泣:緩む

右太衝岐部の硬結は取れる。


左足三里:陥凹残る

左>右太衝:脹れ陥凹

左>右公孫:陥凹


【処置2】

左神門:三番短鍼

左公孫:一番短鍼

左太衝:一番短鍼

左足三里:三番短鍼


【処置2後】

右関上の動脉は取れる。

左右の脉状まぁまぁバランスよし。


心下の冷え取れる。

梁門から不容への陥凹した感じはなくなる。

これは全体がふっくらしたためなのだろう。

左太巨の冷えは半減。


左足三里の陥凹がびっくりするほど取れている。何故か。これはもともと脾胃がしっかりしているためではないだろうか。そのあたりは次回確認すべきところであります。

公孫左右差なし。

太衝の脹れと陥凹は、これからの課題となるでしょう。




考察



前回の治療後に特に疲れたということがなかったということでしたので、

今回はちょっと理気に着目してきつめに工夫してみました。

背部腧穴の打鍼は、初めは先端のとがったもので、後は平面のもので行いました。こそばいために緊張しますけれどもそれが緩んだ瞬間に経穴の状態を見ると、かなり緩んでいるのが分かります。

こそばいのは虚ということで、命門に温灸を今回も使いました。

肝欝を取るのが主眼です。筋縮の脹れを通じさせてあります。











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