全体的には調子がよい。
前回処置直後に急に眠くなったといわれていたので、
処置によって疲れが出るようなことはないですかということをお聞きしたところ、「大丈夫です」とのこと。
前回処置後はよく眠れたような気がする。
月経はいつもより軽かったような気がする。
【舌診】
舌の厚みが出ている。
薄白苔。
歯痕。
淡紅から淡白。(正常)
【脉診】
動脉は治まっている。
右尺沈位に洪脉を触れる。
【経穴診】
右外関:冷え
右合谷:冷えか?
右後谿:風
両神門:堅さは初回の三分の一ほどとなり、やや硬いという程度
右公孫:陥凹・冷え
右太衝:陥凹・腫・冷え・岐部に硬結
右湧泉:冷えか?
左足三里:陥凹
左三陵:陥凹
右三陰交:硬結
右交信:冷え(三陰交との段差で陥凹)
左通天:油(ねっとりとした陥凹で、まるで油がそこに注がれて蓄っているような感じがすることからこのように名づけています)
【背候診】
左肝兪:緩んで平板
右腎兪:裂(脊柱起立筋の中央に触れていくわけですが、筋肉がそこにあるはずなのに突然の崖のようになくなっているもので、経穴のいわゆる陥凹の場合のその部位の緩みとは異なるものを裂と名づけています)
右三焦兪:裂
【腹診】
右脾募5
左脾募3
で、脾募は非常に分厚い。
明瞭になってきているという感じがする。
心下に堅さがある。ご本人の握りこぶしより二周りほど大きいくらい。しかし堅さそのものは初回の三分の一。
左太巨の冷えは今回きつい。
【処置1】
右腎兪:一寸一番金
右三焦兪:一寸三番
左肝兪:一寸三番
【処置1後】
右尺位の洪脉取れる
右合谷・右後谿・右外関の冷え取れる
右神門の硬結出現
右公孫の陥凹半減冷え取れる
右太衝の冷え取れる
右三陰交の冷えは取れかえって熱感を感じ硬結は半減するもまだある。
右交信の陥凹はあまり感じない>これは三陰交が緩んでいるためだろう。
左足三里三陵は、三割程度陥凹が緩む
左太巨の冷えは半減する
【処置2】
左通天:10番一寸
右神門:短鍼三番
右公孫:短鍼一番
右太衝:短鍼一番
理気に着目するとともに器を壊さないようにするため、左の足三里・三陵・太巨には処置をしませんでした。
これでどれほどの変化が出てくるか、前回の経験も踏まえると興味深いところです。
【処置2後】
心下は完全に取れている
左太巨の冷えも完全に取れている
左足三里:三陵、かなり動いた気配があるのだが、まだ反応は残っている。
右公孫は陥凹は三分の一程度に減少している。
右神門は取れている。
左太巨の冷えが本日の治療ですっきり取れているのは妙。
心下がすっきりしているのは治療の成功を意味している。
さて、このような理気でどこまで引っ張れるものか、興味深いところ。虚に見えるものは実は、肝気によって押さえつけられているものだったりするのかもしれない。
また、舌の厚みが増して来ているということは、初診時に見られた気虚の徴候が減少していることを意味しています。現在の治療方針がまだ支持されているゆえんがここにあります。
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