治療指針:生活提言


お尻の冷え、妊娠希望の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



主訴であるお尻を中心とする冷えを強く感じるようになったのは、28歳 で魚屋で働き始めてからである。仕事自体が肉体労働で、職場も寒く、 精神的なストレスも多かった。31歳で結婚し、花屋の仕事を辞めてから は、冷えは徐々にましになり、食事時間も規則的になって食後の腹張や 胸焼けも減り、疲れるとできていた口内炎や、膀胱炎も起きなくなった。

これらのことから、魚屋でのハードな仕事はかなりきつく腎気に負担を 掛けていたと思われるが、仕事を辞めたことで、腎気を圧迫していた主 要因が無くなり、結婚後、腎気が回復してきていることも窺える。現 在、やや淡白でやや色褪せの舌、奥右寄りの剥苔、関元と右大巨の抜 け、排尿回数が若干多いこと、尿切れが時々悪く、翌日に時々疲れが残 ることから、腎の陽気を中心とした腎虚がまだ回復しきれていないと考 えられる。







また風門の陥凹、列缺の大きなこそげを合わせて考えるとこの腎陽虚は 肺気にまで及び全身的な気虚をもたらしていることが推察され、そのた めに陽気の立ちにくい朝にはより肺気の弱さが強調されて、朝に花粉な どのアレルギー症状が強く現れると考えられる。

主訴であるお尻を中心とする冷えは、初診の時点で、手足は冷えをあま り感じなくなっていたことから、魚屋での仕事はかなり肝気を張って頑 張っていたために肝鬱がきつくなり気血の巡りが悪くなって、手足が冷 えていた可能性が高いのではないかと考える。

現在も生理に小さい血塊が混じる、舌裏の怒張、舌辺の瘀斑、細絡など 巡りの悪さは続いていることが窺えるが、魚屋の仕事を辞めて、肝鬱腎 虚の悪循環から脱し、腎気は回復傾向にあるので、鍼灸治療で更なる腎 陽の後押しができれば妊娠により近づくのではないかと考える。







ここで脾胃について見てみると、脾兪胃兪の状態からかなり脾胃に負担 があり、また脾募や梅雨時の湿気が苦手など、若干内湿が溜まっている ことも窺える。ただ25歳までは大食傾向にあり、魚屋でのハードな仕事 でも体重には変化がなかったこと、間食をよくしていることから、脾器 は丈夫な方であり、腎陽虚の影響で魚屋の仕事期間は少し下痢の頻度は 増えたものの、それでも2か月に1回であり、高校生の頃からある下痢 も、食べ過ぎや冷飲食などによる生理反応の下痢ではないかと推察され る。食生活、食習慣の見直しにより、脾気への負担が減れば、腎気の回 復がより早まると考えられる。




弁証論治



弁証:腎陽虚

論治:温補腎陽







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室