産後身痛




産褥期に現われる、四肢の関節のだるさ・疼痛・痺れ・重さといっ た症状を呈するものを、「産後身痛」と呼んでいます。







産後、気血が耗消され、身体が虚して回復していなかったり・(病ー 丙+於)血や排泄物がスッキリ出切らなかったり・邪気が虚に乗じて皮膚・ 経絡・関節に侵入したりすることによって、気血が阻滞されて、産後身痛 がおこります。この病はいわゆる「痺証」にあたりますけれども、産後の 病であるということと、産褥期の生理と密接な関係があるということから、 いわゆる「痺証」との違いも出てきます。

このような症状を呈するものは、正気を助け邪気を取り去るという 適切な治療を施すことによって、一般的には完全に治療することができま す。けれどもこの状態が長期にわたって産褥期以降にもおよぶようになる と、湿が集まって痰を形成し、痰が絡脉を阻滞させることによって、経脉 における気血の流通がさらに阻まれることなります。また、関節の腫脹が 長期にわたって消えないと、それによって屈伸困難をおこし、筋肉が養わ れなくなって痩せてくることがあります。この両者は、治療が非常に難し いものです。









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