臓腑・経絡・気血のまとめ





臓腑・経絡・気血は生理的な女性の身体にとって、それぞれに特色あ る位置を占めています。臓腑間の相生・相剋などの関係があって気血が生 成され、気血は全身を循環し、その気血を通じさせる経絡は、臓に属する ものは腑を絡い、腑に属するものは臓を絡い、腧穴を通して交会して、 全体としての女性の生理的な系統を構成しています。これらの系統が統一 的かつ繊細に活動して、陰陽の動的平衡を作っていくことによって、女性 はその生理的な活動を保持し調節していくことができます。これらが正常 に機能することによって、生理や・生理的なおりもの・妊娠・出産・授乳 等の生理的な活動が全身との調和を保つ中で行なわれ、一人の統一体とし ての女性を作り上げているのです。

また人体は長期にわたって自然界に依存して生きてきていますので、 自然界の影響を当然受けています。これを「天人相応」と呼びます。たと えば生理が月の満ち欠けの影響を受けたり、種子がその発育することので きる時期を候っているように、十ヶ月間懐胎していて朝分娩たり、その年 齢によって生理的な特徴が異なること等は、すべて自然界に対応しておこ っている現象です。中医学ではこのことを、『人というものは天地の気に よって生まれ、四季の法則によって成長する。』《素問・宝命全形論》、 『人と天地とは互いに交流しあい、日月とは互いに感応しあう。』《霊枢 ・歳露論》と述べられています。ですから、女性の生理をよく理解するた めには、ひとつには体内における臓腑・経絡・気血の作用を理解して、そ れと女性の生理との相互関係を理解する必要があり、もうひとつには、体 外における大自然の運行と女性の生理的な状態との対応関係をよく理解す る必要があります。これらの生理的な作用を正確に理解していくことが、 婦人科の生理や病理を研究していく上でのもっとも基本的なことになるわ けです。









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