飲食を問うのは、
一には胃口の清濁を察するためであり、
二には臓腑の陰陽を察するためである。
外感病に罹っていても食事が取れるものは、その邪気がまだ臓に及んでいないと考えられる。
このようなことを判断するために、食事が取れるか取れないかを聞くのである。
内傷病に罹っていて飲食が普段とは異なるものは、その味覚の好悪や冷めたいものを好むか熱いものを好むかを聞いていかなければならない。
平素から温熱の食品を欲する人は、陰臓であるからこれを暖めるとよい。
平素から寒冷の食品を好む人は、陽臓であるからこれを清するとよい。
また口腹の慎みを失なったために臓腑が傷られた場合は、その時々の状態に応じて弁別していくとよい。
このように飲食の状況は詳細に弁別しなければならない。
これによって薬餌の良し悪しを推測していくのである。
一、どのような病気でも食事をとることによって症状が落ち着くものは、必ず虚証である。
食事をとることによって更に病状がきつくなるものには、虚証も実証もある。
よく弁別してこれを治療しなければならない。
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