治療指針:生活提言


右頸肩部痛の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



今回の首肩の痛みは、3日くらい前からいつものように首肩の凝りが酷くなって痛み始めたが、昨日から右天柱あたりがズキズキと今までに無く激しい痛みで眠ることもできなかった。

このような首や肩にかけての痛みは3年位前から時々あり、この痛みが出るのは仕事に忙しい日々が続き、肉体的にも精神的にも無理を続けている時に起こっていることや、痛みは肝気が緩む夜に酷くなることから、腎虚による痛みであると考えられる。







この首肩の痛みが出た頃の生活を見ると、パートの仕事に加え、講習会なども受講するようになって忙しくなり、去年からは掛け持ちの仕事が増えたり、帰りが遅くなる日が多くなっている。これに連動するように首肩の痛みも徐々に悪化していっていることや、夕方になると足がむくむ、身体がだるい、目が疲れやすいなどの自覚も出ており、ここ2年ほど腎虚が少しずつ進んでいると思われる。

そしてこの患者さんの特徴として、腎気が虚することで痛みとして症状を出す首肩自体にも問題があるのではないかと思われる。それは、Th1~2の夾脊の弱い(薄い)感じから、この首の付け根の場の弱さが窺え、それを支えるためにその周囲である首や肩に痛みが出ているのではないかと推察されるからである。

以上のようにこの腎虚は2年くらい前から少しずつ虚損を深くしていっているが、昔から眠りが浅いことや第二子出産以降生理前の腰痛があるなど、首肩の痛みが出る前から、腎気の虚損があったのではないかと思われる。







首肩の痛みが出る以前の状況を見ると、第二子出産後から生理前に腰痛を感じるようになっており、30代前半の頃は本人曰く虚弱体質だったとのことだが、プルーンを飲み始めてから、手足の冷え、貧血、過呼吸などの症状が良くなり体調が全般に改善したとのことである。これは、第二子の出産時に出血が止まらず、下肢の静脈瘤ができるほど腹圧を掛け続けたことからも、出産がかなり大変で腎気の損傷が大きく、それがうまく回復できずに過ごして現在に至り、生理前の腰痛となって続いていると考える。

そしてこの腎虚がベースに続く生活の中で、子育てに頑張るなど肝気がたちやすくなり、肝鬱がきつかったために手足の冷えや過呼吸を起こすこととなったと思われる。それがプルーンの摂取により肝鬱が少し落ち着いて、体調が良くなったと感じられているのではないかと思われる。これは、プルーンでは肝鬱が軽減されるが、腎気の補いまではなされないため、眠りの質は改善されず、肝気をはって頑張ることで消耗される腎気の回復もなされないために、徐々に腎虚は進み、首肩の痛みの悪化へと繋がっていったものと考えるからである。




弁証論治



弁証:腎虚、Th2周りの弱り

論治:補腎、Th2周りの温補







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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