33歳の出産前、2度の流産があり、子宮を支える腎気の弱りがもともとあったのではないかという可能性が疑われる。しかしながら、33歳の時に無事に妊娠し、出産まで致った。このとき体重は46キロだった。
出産によって一定のオケツが落ち生理そのものは軽くなったものの、食欲が落ち、腰痛が出現、生理がだらだらと8日続くようになった。出産によって生命力が腎気を中心にひとつ落ちてしまい、自然の回復の流れにのれずにいた。体重も妊娠前の46キロから43キロまで落ちていた(BMI17.2)。
体調が悪いため、食事をマクロビに変え、肉やタンパク質の摂取を少なくし、野菜や玄米中心の生活にしたところ体重がぐっと落ち40キロ(BMI16)、まわりからも『大丈夫か?』と言われるほどの状態になってしまった。食事の制限により、気血の生成が不足し、腎気を落としていた状態に加え、栄養不足が重なり気血両虚となってしまったものと思われる。西洋医学的に貧血が指摘されたのもそのためであろう。
食事を少し改善たところ1年以上の時間がかかったものの、現時点で体重は43キロまで回復した。体重は回復したものの、この半年ぐらいは夜間排尿が続いている。また生理の状況も産後から出血がだらだらと続く、周期が長いなど腎気の弱りを示し、食欲が落ち腰痛も出現している。このことは、あきらかに出産後生命力を落としている状況が続いているのではないかと思われる。現在みられる腎兪の陥凹、左三焦兪の大きな陥凹なども腎気の弱りを示している。
ご本人は現在のご自身の状況を『産後体調は回復している』『疲れが残ることはない』と判断している。体表観察や生理の状況の問診からすると明らかに生命力を落としていることが伺える状況であることには目が向いていない。これはご本人の意識の持ちようとして、常にしっかりと前向きに対処しようという生きる姿勢であろう。この生きる姿勢は、強く肝気を張って生きるということである。平時であれば問題がないが、腎気の弱っている状況では、より強く肝気がたち、その強い肝気自体が腎気への負担となり悪循環に陥っている。
弁証: 腎虚を中心とした気血両虚
論治: 益気補腎
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