乳汁自出




産後あるいは哺乳期間中に、嬰児が吸わなくとも乳汁が自然に流れ 出るものを、「乳汁自出」と呼んでいます。







乳汁が嬰児に吸われなくとも自然に流れ出る場合には、母親の身体 が丈夫で、乳汁の分泌過多のために自然に流れ出る場合、すでに授乳期間 が終わって嬰児が吸わなくなったために自然に流れ出る場合、断乳の時期 となっても乳汁が出終わらずに流れ出る場合などがありますが、これらは みな生理的なものなので、治療する必要はありません。

けれどもこのような状況ではないにもかかわらず、乳汁が自然に流 れ出、さまざまな症状を伴うような場合は、ここで考えていく問題となり ます。ことに乳汁が自然に流れ出、乳房が脹痛し、乳汁が非常に濃いよう な場合は、蓄積された乳汁が火熱によって灼かれ、化膿して癰となったも のなので、臨床において非常に慎重に対処しなければなりません。









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