治療指針:生活提言


倦怠感・気持ち悪いの弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



去年の夏の海外旅行以降、突然倦怠感が起こったり、気持ちが悪くなったりと、体調を崩すことが多くなった。この1年を振り返ってみると、本人も言うように旅行や引っ越し、親戚づきあいなどでかなり忙しく、また仕事をしていなかったこともあり、生活時間も不規則になっていた。この1年で腎気を徐々に落としてしまったと思われ、体の状態を診ても、右三焦兪・右腎兪の二行、右気海兪の陥凹など腎気の虚損が窺える。

それに加え、風門と左肺兪の発汗から風邪の内陥も窺え、それがなかなか腎気を回復できない要因にもなっていると考える。この風邪の内陥がいつ頃から続いているのかは定かではないが、去年の秋には旅行中や忙しい時に立て続けに発熱していることを考えると、この頃には風邪の内陥があり、風邪を再罹患しては発熱することを繰り返していたのではないかと推察される。

去年の冬から倦怠感や食欲不振はあったものの、年明け以降専門学校に通っている3ヶ月間は体調も良かったことを考えると、規則正しい生活で腎気もやしなわれつつあったのではないかと思われる。しかし今年春以降、旅行や引っ越しと忙しく、またひとつ深く腎気を落としてしまったと思われる。そのため肝気を張って頑張ろうとするが、その頑張りは長く続かず、イベントの途中で体調を崩すことが多くなったと考えられる。左胆兪のへたれからも肝気の弱りが窺える。







ここで脾胃の状態を見てみると、足三里の陥凹、脾兪・胃兪の陥凹など脾気の損傷も案外大きいことが窺える。20歳の頃をピークに体重は徐々に減り、食べても太れない体質ではあるが、体調が良いときは食欲もあり、お通じも毎日ではないもののすっきり出ており、脾器は小さいなりにバランスを取って過ごしてきたと思われる。

しかし今年の春以降、気持ち悪さが頻発するようになり、食欲が無いことも多くなった。20歳以降の体重の減少状況をみてみると、就職活動や就職、転職など肝気を張って腎気を消耗したと思われる時期に体重を落としている。また30歳で生理痛が軽くなった頃から食欲が減ってきた。これも年齢的に腎気が少し衰えたことにより、腎気の支えが減ったために脾気も落ち、食欲が減ったと思われる。

つまり脾器の小ささを腎気がずっと支えてきた状況が窺える。そのため今年の春以降、腎気の損傷が深くなったために、脾気の弱さが気持ち悪さや食欲不振として現れることが多くなったと考えられる。







このように風邪の内陥に加え、この1年の腎気の損傷が脾気、肝気を支えきれず、いろいろな症状として現れているのが現状であると考える。ただ、去年の秋以前も、国内・海外の旅行にはよく出かけ、これまで大きく体調を崩したことが無かったことから、もともとは腎気はそれなりに充実していたのではないかと考えられ、この風邪の内陥が抜ければ腎気の回復は意外に順調に行くのではないかとも考えられる。




弁証論治



弁証:風邪の内陥、腎虚、脾虚

論治:風邪の内陥を取り去る、補腎、健脾







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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