治療指針:生活提言


卵子提供しかない?~出産弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



20代後半より、子宮内膜症が悪化し、生理痛がひどく子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫など骨盤内臓器の開腹手術を30歳でしている。手術後、排卵月経に伴う子宮内膜症の悪化を防ぐため、ホルモン剤の投与を受け、生理を止めた。このホルモン治療により卵巣機能が低下し、31歳のときに卵子提供でしか子どもは望めないという医師の見解へと繋がった。 32歳より、不妊治療専門クリニックにてIVF-ET(体外受精ー胚移植)を行うも、 生理を止めたホルモン剤の影響は強く年齢が30代前半から30代半ばであったのに、38歳の時点で25回にも渡る採卵数であったのに、4つしか受精卵は出来ず、せっかく出来た受精卵を移植するものの妊娠が継続するにいたっていない。 手術にいたった子宮内膜症は、症状としては現在はそれほど強い痛みなどを伴ったものではなくなっている。しかしながら 少腹急結が左右ともあり、臍下の中注も奥に抜けを感じ、任脉上の中脘も奥に冷え、下脘が抜け。また臍下の気海から関元に続く大きな手術痕は、下腹全体の動きの固さと相まって骨盤内臓器ならびに腹腔全体の気血の巡りの悪さを感じさせる。







問診状からは、あまり素体の弱さなどを示す状況は示されていない。しかしながら、35歳の時に夏の疲れからエリトマトーデスを疑われるような状態になったり、この1年ぐらい、生理がくると左肩の奥に刺すような痛みが発生するという状況は、腎気の支えが弱くなると瘀血様の症状や内熱の症状が全身問題として発生していることを示している。また、最近健康のためと始めたウオーキングによりかえって朝の腰痛を発生することにつながっているのも、腎気の支えの弱さがあり、負荷がかかると却って腎気に負担となっていることを示している。

つまり、少しの負荷があると、腎気は支えきらず気滞がぐっと強くなってしまうと。舌裏の怒脹、舌辺の瘀斑もあり、腹腔内を中心とする瘀血の存在は、腎気の支えが弱くなったとき生じる気滞が長期間にわたっているために全身の問題へと波及していることをしめしている。問診状からは、弱りを示すような状況がなくとも、20代後半からの骨盤内臓器における瘀血の状況は、腎気の弱さから生じた瘀血であったと考えられる。







初診時の強い緊張感、また病院での採卵時のエピソード(手を握ってもらいながら採卵している)など、ご本人が精神的に強い肝鬱をもつことも腎気の弱りより生じた気滞をより強くしていく要素であると考えられる。専業主婦であり、無理の無い生活をおくっているので、翌日に疲れが残るようなことはなく、2便、睡眠の状態はよいものの、背部兪穴では左の三焦兪を根にして左胆兪までじゃらじゃらとした感じが続くこと、上背部の陶道を中心とする冷えや発汗などの上焦の弱り、左脾兪胃兪に見られる中焦の弱り、三焦兪を中心とする下焦の弱り舌の胖嫩、脉診で脈全体が細く、弱く輪郭が甘いなど全身の気虚も明瞭で存るが、その中心は、左右三焦兪の亀裂、運動をしてすぐに腰痛が出ること、下腹を手術で大きく手を入れていることなど腎気の弱さであることを示している。




弁証論治



弁証:腎虚 肝鬱瘀血

論治:益気補腎 疏肝理気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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