治療指針:生活提言:治療経過ほか


HR周期移植で二人目出産44才 弁証論治
病因病理:弁証論治



病因病理



20代の半ば、ストレスがきっかけで体調を崩し、とくに胸にアワアワする 違和感を感じ、動悸と判明。心臓自体には問題がなく経過観察となった。

肝気の強い鬱滞により内熱が亢進し、上焦の違和感が出現。とくに、心において 心液を乾かし心陰虚ぎみになり不安定となったため動悸が出現したのでは ないかと思われる。

動悸はこのときから出現し、心身の負担があるときに 多少出現するとうい程度で推移している。







34才の時に、ストレスがきっかけで全身のだるさ、頭痛、めまい、動悸不整脈が出現。その後ストレスがなくなり、動悸のみが継続している。

大きなストレスで再度、肝気が上逆、上焦に鬱熱を生じ、心をつき陰液の不足をまねき動悸不整脈の出現、めまい、頭痛につながったのではないかと思われる。また同時に 全身のだるさ疲労なども出現。脾気腎気へも強く影響したものと思われる。

仕事をやめストレスや疲労がなくなり動悸以外のだるさ、めまい、頭痛などの症状は消失。

ストレスから生じていた強い肝気の上逆がなくなったので、めまいや頭痛、疲労感が消失したものと思われる。

しかしながら、疲労に伴っての動悸や首肩こりと後頭部の頭痛も感じるようになっている。34才での強いストレスによる出来事によって、器を小さくし気虚をおこし、腎気の支えが少しでも不安定になると心陰の不足が明瞭となり動悸が出現。

また肺気も補われることがなかったので、腎気が落ちると肺気の弱さが明瞭になり首肩の凝りと後頸部の頭痛へとつながっているのではないかと思われる。また風邪の内陥によって、生命により負担となっていたのではないかと思われる。







その後の1年にわたる鍼灸治療によって、風邪の内陥が救われ、ある程度の気虚の回復がおこなわれ、一人目の妊娠、出産が無事に経過している。鍼灸治療は38才の出産にて一端終了した。

しかしながら、妊娠中から飲食をすると動悸がするようになっている。

妊娠中という体内に陽気の塊がいるため、飲食し胃熱が亢進すると心に影響し動悸がしやすくなっていると思われる。心の陰気の不安定さが明瞭になっている。

産後は子育てや長引く授乳がおこなわれ、そのなかで不妊治療も再開。

42才の初診時には、なんども体外受精を繰り返す中、ホルモン値(FSH)も上昇し始めてしまっている。

この初診時点で、疲れたときに動悸、肩こり、首凝り、後頭部の頭痛がおき、肩関節の前面も無理や疲労と連動して痛みが出ている。

一人目の妊娠時には腎気を中心としてある程度の気虚の回復がなされ無事に妊娠出産につながった。しかしながら、産後の長い授乳による気血の消耗があり、その後不妊治療が続いたため、腎気を中心とする全身の気虚が再びおこったと思われる。

腎気が落ちがちになる疲れたときに気虚は明瞭となり、上焦での局所の気滞である肩こりや首の凝りが出現。また頭痛の部位が後頭部ということにより風邪の内陥があり、この風邪の内陥も生命力への負担となりより気逆を強くし、肺気への負担をましている。

もともと不安定だった心の陰気も腎気のバックアップが不足すると陽気を安定させることができない。生理の3日目ごろの腎気がおちるときにも同様に、首肩のこり、頭痛が出現しやすくなっており、やはり腎気の弱さが明瞭である。







食後の腹脹胸焼けは38才の時よりもきつくなっており、腎気の低下に伴って脾気がおち内湿を生じやすくなっている。内湿が存在するので内熱をはらみやすくなり舌は乾燥し口渇がある。また舌の状態が膩苔でありかつ中央に剥苔がみられるということは、胃の気の弱さが内湿を生じ膩苔となっているなか、胃の気そのものも弱さが明瞭であり剥苔となっているということを示している。

心気の弱りがあるため、この内湿や内熱が心気をつき不安定にし、口渇 動悸や不整脈とつながりやすくなっているのではないかと思われる。

心気の問題は、ストレスがなくなっても出現していることより器質的な問題もはらんでいると思われるが、第一子の出産も無事に経過できていることなどにより、中心の課題とはならないと思われる。腎気が落ちたときに明瞭になりやすいので、腎気を安定させ脾気、心気への充分な養いとすることが必要であると思われる。 また、妊娠の希望に対しても、腎気が落ちることで、子宮への養いの不足と つながっている可能性が伺える。




弁証論治



弁証:風邪の内陥 腎虚を中心とする気虚 心陰虚

論治 :疎風散寒 益気補腎







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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