HR周期移植で二人目出産44才 弁証論治


HR周期移植で二人目出産44才 弁証論治
治療指針:生活提言:治療経過ほか



治療指針



腎気をたて、肺気を補い風邪の内陥を取り去る。

腎気を救い、全身の気虚を補う。

心気は不安定だが、腎気の弱りと連動して症状が出現し、症状自体は問題と ならないので、心気自体は問題とせず、腎気を補うことや、心気を直接的に不安定にさせる肝気のコントロールをご自身の養生も含めお願いする。




生活提言






不育症への考察



この方は3回自然妊娠なさっています。また7回にわたる胚移植はすべて着床し、HCGは出ています。1人目の妊娠前後の時に、私は不育症の検査をお勧めしました。

これは

1)化学流産があったこと

2)体表観察から、不育症で陽性が出た方の状態と非常に似ているということ

この2)の状況で、年齢要因が厳しい方の場合には、私は不育症の検査を お勧めすることが多いです。そして案外多くの方が陽性となります。

これは結局、『血流が悪い』ということにつながります。

この血流の悪さが、今一歩の卵の状態、今一歩の妊娠ー継続の 難しさにつながったのではないかと思います。

最近の当院の治療では、この状況を切り抜けるためにいろいろな方法をとり いれています。『頻回治療』などもその一つ。

採卵周期(生理の5日前から採卵まで)、移植周期、妊娠判明から妊娠15週まで。なかなか妊娠が継続しがたい方々が、頻回治療で乗り切っています。




治療経過考察



一人目の治療妊娠では1回の体外受精で妊娠し、出産なさっています(38才)

しかしながら40才から始めた二人目の治療は難航。一人目の時にあった凍結胚を移植しても妊娠せず、その後採卵ー移植しても妊娠出来ず徐々にFSHがあがってしまい卵の 状態も悪化してしまうという状況で42才で再度のビッグママ治療室受診でした。

再初診時、やはりお身体がだいぶ疲れた状態で、このままでは『結果が出る治療』に していくにはなかなか難しい状況ではないかと思われました。

しかしながら、ご本人の『二人目の子供が欲しい、兄弟が欲しい』という 切なる願いとご努力で無事に二人目を妊娠。20回に渡る採卵周期への挑戦、そして 鍼灸治療、食事のことなど色々な状況を改善しての妊娠となりました。

一人目の妊娠があっけないほどスルリと展開しています、これはその前に1年程鍼灸治療にて体調を整えたことも良い影響を与えたのではないかと思われます(このときは自然妊娠をという希望でした。半年程で自然妊娠が成立しなかったので、年齢要因も加味し体外受精への挑戦をお勧めし、妊娠ー出産となりました)。

二人目への挑戦は、子育てもあり、体外受精の治療を先行されました。2年程たっても妊娠が成立せず、FSHも上がってきてしまったということで当院受診されています。







治療経過を拝見していて、惜しいポイントは2つあったと思われます。

ひとつは、40才の時に自然妊娠が成立している体調のときのことです。

残念ながら化学流産になっていますが、ここでもう少し体調を整えていたら妊娠の 継続ができたのではないか。そして38才の時の凍結胚を移植するときにも、よい結果につながったのではなかったかということ。このときの判定日ではHCGが18と出ています、この方の他の化学流産での数字のなかでは一番高い数字です。たぶんもう一息ご本人の状態がよかったら上手く妊娠ー出産出来たのではなどと思ってしまいます。

そして再開して一番はじめの採卵周期も、すんなり拡張胚盤胞で凍結出来ていますので、このあたりがポイントで、なんとか体調を整えておけばと思わずにはおれません。

このタイミングを逃してしまい、不妊治療による身体への負担と、年齢要因のため FSHの上昇となりなかなか妊娠につながらないという状況となってしまいました。

しかしながら、ご本人の頭の下がるばかりの地道な努力で、子育てで忙しい中 体調を回復され、年齢要因との追いかけっこをしながら無事に妊娠へとたどりつきました。




最後のよい卵がとれたときの食事



前周期の高温期から、お腹がぐーっと鳴ってすいたら食べる

朝7時にしっかりご飯

11時30分にしっかり昼ご飯

12時から夜8時水のみ

8時過ぎに軽い軽食の

→久しぶりのよい卵の採卵ができた

小腹がすいたら食べるということをやめて、とことんお腹がすいてから食べた。




治療経過



37才ビッグママ治療室初診

38才 一回目の体外受精にて妊娠ー出産
 妊娠中も鍼灸治療を継続。無事に出産。

40才ー自然妊娠ー化学流産
 再度体外受精を始める。1回目の採卵の凍結胚を移植しても妊娠せず

その後3回の採卵をおこなう
 2)採卵ーG2移植ー化学流産
 3)採卵ー2個ー分割受精せず
      1個 6日目胚盤胞ー凍結ー次周期の移植ー妊娠せず
 4)採卵ー移植できる卵にならず。
この1年でFSHが13から26近くにあがってしまい、それにつれて採卵しても 良い状態にならない。また採卵周期キャンセルも5,6回ある

42才ービッグママ治療室初診
  Yクリニックへ転院ー『厳しい状態』と言われる
 11)採卵周期ー3個空砲だった
 13、14)採卵周期ーキャンセル
 15)採卵周期ー4個採卵ー2つ空砲
          桑実胚を移植ー妊娠出来ず
          拡張胚盤胞でひとつ凍結
 16)採卵周期ー卵見えず キャンセル
 17)採卵周期ーキャンセル
 18)採卵周期 2つ採卵、一つ空
     1つ3日目胚で凍結
 19)採卵周期ー胚盤胞で凍結
 20)HR周期にて移植ー妊娠







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室