治療方針:生活提言


妊娠希望、腹膜炎の既往の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



高校受験、大学受験と、ストレスが大きくなると過食したり、甘いものを食べたりして、体重が大幅に増えている。これは、もともと完璧主義で気を使う性格と自覚があるように、肝気を張ってがんばることが多く、肝鬱に傾きやすいところに、受験という大きなストレスと過食により、肝鬱、脾虚となり、体重も増加していったと考える。10kg近い体重の増加をその度ごとに食事の節制などで元に戻していることからも、この患者さんの意志の強さ、肝気の強さが窺える。

働くようになってストレスから眠りが浅くなるが、これも仕事をがんばるために肝気を立てたのが夜になってもうまく納まらないという肝鬱の状態である。このように肝鬱の状態が続くと腎気の消耗も考えられるが、30歳を過ぎるまで特に大きく体調を崩すことなく過ごしていることを考えると、肝鬱傾向ではあるが、自分の器は傷ることなく生活できていたと推察できる。







しかし、30歳頃から2年間ほど、仕事が忙しくなり、お酒の機会も増えて、生活がハードになる。そんな多忙な生活がひと段落した32歳頃から、午後から夕方になると足がむくむようになる。これは不規則な生活により、肝鬱が更にきつくなり、腎気の損傷ペースが日々の回復では追いつかなくなり、症状として現れだしたと思われる。

その後34歳で右卵巣のチョコレート嚢腫摘出のため開腹手術を受けるが、術後は更に足のむくみがひどくなって、寝ても取れないようになり、ここで腎虚のレベルが一段階進んだと考える。







去年の秋から、健康のために水分の摂取量を多くしている。この水分摂取の増加により、トイレが近くなっており、これは、余分な水分を排泄しようと腎器ががんばっている状態であると言え、腎気に負担を掛けることとなっている。そのために腎気の回復が進まず、今年の春に再度腹膜炎を発症することとなったと考える。

また、食物繊維を多く取るようになってお通じがスッキリ出るようになったにも関わらず、特に夕方から下腹部が張ってくること、仕事を辞めてましにはなったがまだ足がむくむことなどから、専業主婦となり肝鬱がずいぶん緩んだにも関わらず、腎気の回復がいまひとつであると考える。







ただ、これまでの4回の治療と、ご自分でも多量の水分摂取を控え、自宅施灸をこまめに行うことで、小腹部の張りがほとんど気にならなくなる、足の冷えがましになるなど、腎気の回復が大きく、器としての丈夫さを窺わせる。

また、この患者さんの生真面目な意志の強さが、良い方にも悪い方にも大きく働いていて、壊す時も大きいが、回復するときも大きな力となっていると思われる。




弁証論治



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病因病理:弁証論治

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