治療指針:生活提言


子宮内膜症、排卵痛35才出産の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



高校生の頃から体調が悪いと下痢をしやすく、脾気の弱さが窺える。大学生になって器 が充実してくると生理に伴う肝気の張りもきつくなって、生理痛もひどくなった。肝気 の張りがきつくなったために、横逆の度合いも強くなり、胃痛を起こしやすくなり、下 痢も水様便になっていった。

20代では、腎盂腎炎2回、下痢と血便での入院2回や、29歳で判明した子宮内膜 症のことを考えると、もともとの脾気の弱さに加え、下焦の弱さ、腎気の弱さ が窺える。その腎気の根の弱さが肝気に傷られやすい下焦となり、下焦におけ る気虚気滞を起こし、瘀血を生じさせやすくし、生理痛のきつさに繋がってい るものと考える。そしてこの下焦の弱さは、母親や姉妹の病歴を考えると、素 体としての弱さと考えられる。







29歳で内膜症の治療を始めると、生理痛と排卵痛は楽になったが、のぼせ、ほ てり、動悸、眠れないという症状が起こるようになった。排卵を伴わない生理 により下焦への負担は軽くなったものの、定期的に生理を起こすためのピルに よるホルモンの変動により、肝気が上逆しやすくなって上焦に熱を持たせ、そ れが心にも影響を与えていたと思われる。

それでもピルのおかげで肝鬱腎虚の悪循環を断ち切れ、大きく体調を崩すこと なく数年が過ぎた。しかし31歳で仕事が忙しくなると寝付き寝起きが悪くな り、残尿感を感じるようになった。もともと下焦としての弱さのあった腎気を 少しずつ損傷していくこととなっていった。







32歳には妊娠を希望し、ピルの服用を中止した。そうすると生理痛、排卵痛はどんどん きつくなり、高温期には色々な不調を起こすようになった。これは仕事が忙しくなった ために腎気の虚損が深くなっていたところにピルを止め、排卵して生理が起こるように なったために、今まで以上に肝気の立ちがきつくなり、強い肝鬱を引き起こしやすくな ったためと考える。仕事による腎気の虚損に加え、排卵・生理に伴う腎気への負担によ り、腎虚肝鬱の悪循環が加速し、翌日に疲れが残ることが多くなっていった。

もともと肝気の横逆を受けやすかった脾気も、一段ときつくなった肝気の影響 を受けて、食後にお腹の張りや胸焼けを起こしやすくなった。またきつくなっ た肝気の上衝により、口、喉はいつも渇き、口が粘るようにもなった。

切診情報からは根である脾腎の虚損に加え、蓋である肺気の弱さも窺え、これ が肝気を抑えがたくもしている。まずは肝鬱腎虚の悪循環を断ち切り、身体の 中心である下焦をしっかりさせるようにバランスを付けることが、主訴である 妊娠にも繋がる道であると考える。




弁証論治



弁証:腎虚

論治:補腎







主訴:問診

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切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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