まずは腎気をしっかりと立て、下焦の充実を図り、肝鬱腎虚の悪循環を断ち切 りたい。そして下焦の気虚気滞からの瘀血の生成を食い止めることで内膜症の 悪化を防ぎたい。そのために脾気や蓋としての肺気も同時に治療の手を入れた 方がいいのではないかと考える。
ピルの服用を止めてから、生理痛、排卵痛の他に色々と体調が悪い日が多く、 肉体的のみならず精神的にも大変辛いことと思います。お子さんを望まれてピ ルの服用を中止された時期がちょうど仕事が忙しかったこともあり、以前より も一層、生理の身体に与える負担が大きく影響してしまったと思われます。
お母さんや姉妹の方の病歴を考えると、○○さんも少し身体の中心であり、生 命力の土台である下腹部が弱い傾向にあると思われます。このお腹に力を集め て、身体の力をしっかりとさせてあげることが、生理痛、排卵痛を始めとする ○○さんの諸症状に一番大切なことだと思います。これはご希望されている妊 娠への近道にもなると考えます。
そのためにはお家でお腹にお灸をやってあげるのはとても有効だと思います。 それ以外には歩くなど軽い運動を日常的にすることで気血の巡りを良くしてお くことも大切です。お仕事など肉体的精神的ストレスが強いと気が昇りやすく なり、お腹の力を奪います。仕事を少しセーブされているとのことですが、 元々下腹部が弱い傾向の方ですので、足腰を常日頃から使うようにしておくの は、気を引き降ろし、臍下丹田のある下腹部に気を納めるのに良い方法でもあ ると思います。
軽い運動をしたらしっかり休むことも大切です。お仕事がお忙しい時など夜早 く寝るのは難しいかもしれませんが、せめて日付を越さないうちに就寝できる ようにしましょう。同じ睡眠時間でも、遅く寝て遅く起きるのと、早く寝て早 く起きるのでは、睡眠の質が違ってきます。生理痛などの身体の痛みは身体を 疲労させる悪循環を生みますので、できるだけしっかりとした質のよい睡眠を 取って、疲労を溜めないようにしたいですね。
最後に、お体を拝見すると胃腸への負担もかなり窺えます。20代の頃には原因 不明の下痢と血便を何度も経験されていますし、胃痛もおありとのことですの で、身体を支える胃腸も労わってあげることが○○さんの養生には大切でしょ う。食事時間は仕事の関係で不規則なようですので、できることから工夫でき るといいですね。脂っこいものは下痢されるから気をつけていらっしゃること と思いますが、その他によく言われる、夜遅くの食事・甘いものの間食を控え る、食べすぎに気をつけるなどもう一度食生活を見直してみてくださいね
初診から7ヶ月後、体調がだんだんよくなってきたので、不妊クリニックに本格的に通い出す。
子宮内膜症の状態から、体外受精に進む。
1回目、一個空砲、一個移植、妊娠出来ず。
2回目(3ヶ月後)3つ採卵1つ移植、他の培養した卵は凍結出来ず。
妊娠出来ず。
3回目 4個取れたが、一つも凍結出来ず
4回目 4個取れて1つ凍結出来た。
5回目 ドミノ、移植ー妊娠 採卵した卵は凍結出来ず。
妊娠 8週黄体ホルモンが低い、
9週 体温が急に下がった
13週 糖負荷検査でケトン体が出た
15週 咳がでて気持ちが悪い。手首が痛い
30週 糖負荷検査で引っかかった。
妊娠前からの体調不良をなんとか、カバーしながらの不妊治療、 妊娠時の治療となりましたが、なんとか無事に出産にこぎつけることが できましたね。ご本人の努力のたまものです。おめでとうございます。
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