治療指針:生活提言


前立腺肥大による症状を改善したい弁証論治
病因病理:弁証論治



病因病理



この方は、子どもの頃から家にいるのが嫌いで、いつも外で遊んでいたこと、 現在も休日は外出し活動していることから、肝気を張り続けることが 好きなように思われる。また、目標を定め、それに向かって日々頑張ると いう、意志の強さも感じられる。







44歳頃、ゴルフを本格的に取り組むようになった。仕事以外の時間での 肝気の張り方が一段と強くなった可能性が考えられる。

48歳頃、首・肩甲骨まわりの凝りが気になるようになった。仕事の 責任度が増したとのことで、精神的な負担が強かったと推測する。 この頃には、日常生活における気の消耗と生命力のかげりが、日々の 回復を上回り、腎虚肝鬱の悪循環へと入っていたのではないだろうか。







50歳頃から夜中に目を覚ます頻度が増えていったのは、腎虚が進み、 睡眠時に気が裏に納まりにくくなったからと考える。これにより腎虚肝鬱 の悪循環からますます抜け出しにくくなった。

52~3歳では、首肩の凝りがひどく、病院へ通うほどだったことから、 相当無理をしていたと思われる。そんな中、日中の排尿回数が増え、 尿の出の悪さも気になり始めた。腎虚が主な原因と考えるが、夜間は 尿意が頻繁でないことから、日中の尿意に関しては別の要因(肝気の影響・ 姿勢による刺激・コーヒーの飲みすぎ等)もあるのではと考えている。

また53歳、緊急な仕事で徹夜作業をした後、朝のラジオ体操でフワフワ 目まいを起こした。ストレスと寝不足で、どっと腎虚も進み、相当の気虚 状態だったと思われる。

この頃から仕事は楽になったということだが、生来の頑張り続ける生活は 続いていたであろうし、夜中に目を覚ます頻度が改善されたわけでもない。 55歳頃には残尿感や尿切れの悪さが気になり始めたことからも、腎虚は 着々と進んでいたと思われる。夜、横になってから入眠までの時間が やけに短くなったのは、お酒を飲むことで肝気が弛み、限界まで頑張って いた意識の糸が切れるような感じで寝入っているのではないだろうか。 それでも、気が裏に納まり続けることができないため、夜中は何度も 目を覚まし、寝つきも悪い。

58歳秋には、母親が亡くなり、喪主・法要でバタバタし、フワフワ 目まいが数回起きている。深い気虚が続いていることを確認できる。 切診情報からも、全体的に統一感のない脉・左尺が浮いて細いことや、 手足や背中の筋肉はしっかりついているが腹診ではアンバランスさが 妙に目立ったことからも、裏の弱り・一体感の無さを感じる。

平穏無事な生活であれば、ギリギリ日常を保っていられるようだが、何か 負荷がかかったときには、どんな症状が起きてもおかしくない状態と 思われる。

また、身体を鍛え筋肉がついており、思う通りに動けているため、本人は 健康である(問題がない)と感じやすいこと、意志が強く頑張れることが、 自身への負荷を強力にしてしまう傾向があることも、注意したい。




弁証論治



弁証:腎虚を中心とした気虚

論治:補腎・補気







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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