五臓が主る味は口中に発します。たとえば心熱するときは何を食べても苦く感じます。心は苦を主るためです。万物の味わいは、熱すると厚くなります。魚肉の類は生のものは味が薄く、これを焼いたり煮たりすると、その味わいは非常に濃厚になります。
五臓が熱を生じるときは、その臓が主るところの味わいが口中に厚く衝発し〔訳注:広がり〕ます。けれどもその根本は、脾胃に属する土が五味を生じることができるためなのです。