頸部痛の弁証論治:弁証論治・生活提言


頸部痛の弁証論治
弁証論治:生活提言




(弁病)

左頸部痛(百労)







(弁証)

腎虚・経絡経筋病







(治療指針)

腎気を中心に建てて気虚を補う。
上記を主たる手段とし、それを妨げない程度に背部の左右差頸部の左右差を整えるよう処置する。







(生活提言)







基本的に大病の後の身体のバランスの崩れを立て直す時期にあります。

頸部の痛みがもっとも気になるところでしょうけれども、病の中心はそこにはなく、もっと深い位置にあります。その深い位置を整えないことには、頸部をいくらいじっても問題は解決せず、あるいは頸部はよくなったけれども他の問題が出てきたといういたちごっこをくり返して、結局は生命力の損傷を早める結果を招来することとなるでしょう。

ここは本来的な治療に立ち返り、全身の生命力をつけていくということに注力すべきところでしょう。

胃腸は先天的に弱く、また、それを保護している状態でこのレベルであるということをよく理解され、今の飲食の状態をそのまま継続していくことが大切です。

全身の生命力を向上させるために非常によいことがウォーキングです。何も持たずに気持ちよくマイペースで歩くことは、最も望まれる健康法です。ご自身も好んでおられるようなので、これを継続されることをお薦めします。ただ、楽しんで続けるということ、疲れない程度にするということが大切なポイントです。

大きな比重を占めるわけではありませんけれども最も身体に悪いであろうと思われることは睡眠薬の服用です。バッファリンなども含めてこれを手放して生活できるようになることが一つの目標となります。

また、烟草はこの身体には合いません。手放していく方向で検討するとよいと思います。

肉体のゆがみがかなり高いレベルまできていますので、これを建てなおすのは大変です。そうとうの覚悟が必要となります。けれども一日一日の養生というものは身体の建て直しに深く着実な効果をあげていきます。気がつかないうちになんとなく踏ん張りのきく心身になっていることでしょう。日々の積み重ねが大切なんですね。







ただ、現段階で夜間排尿があり残尿感があって尿切れが悪いことをみると、東洋医学でいう腎が弱っている可能性が考えられます。これは、生活習慣となっている水分をよく摂取するというところに、水の臓と呼ばれている腎を自身の本能で補おうとしているのであると考えることができます。

この腎の問題が肉体的には腰の弱さとして出ています。それが腎兪の反応です。また胃腸の弱さはことに腹部の皮膚の状態として表れています。このように腰腹という身体の根幹となる部位が弱っているその土台の上に胸背部が乗っているわけです。このうち背部は、左が弱く緩み、右が硬く張っています。この上に頭頸部が座っています。このうち頸部は、右が弱く緩み、左が張っており、この左頸部に自覚的な痛みがあるということです。

このように物としての肉体のバランスが崩れているわけですから、それを立て直すにはかなりの手順と手間とが必要となります。土台に手を入れずにそれに乗っているものだけを建て直そうとしても、それはうまくいくわけがないということは、ご理解されるところであると思います。

ただ幸いなのは食事や二便の状態を見る限り、まだ臓腑的な損傷は強くないということです。ここまで及んでくるとさらに建て直しは困難になってくると思われます。







主訴:問診

時系列の問診

四診

五臓の弁別

病因病理

弁証論治:生活提言











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