まず第一に腎気を救い、第二に脾気をたて気を増す。
病因病理、読んでいただけましたでしょうか。
東洋医学の言葉がたくさんちりばめてあって、少しわかりづらいですね。
解説をさせていただきながら、症状の緩和について、今後のお体作りについて 話をさせていただこうと思っています。
痛みを考えるときに、東洋医学の世界では、ものが集まり鬱滞して痛むことと、ものが不足し足りないために痛むものとを 弁別して考えます。今回の目の奥の痛みは、頭というからだの上部に、気が鬱滞して凝り固まり痛みになっているように 感じられると思います。しかしながら、お体の状態などを拝見するとこの症状は、身体の生命力や体力が弱いために おこってきたの「生命力の不足のための痛み」であると判断できます。不足のための痛みであるので、頑固で、治りにくく、また流産というからだの力を一段と落としたことでより症状の悪化とつながるわけです。
ですので、まず身体の生命力をあげていくということがとても大切になります。
身体の生命力をあげるといったときには、東洋医学では、胃腸の力と、土台の力と二つの考え方を しています。
今回の症状の場合、流産をしたことで土台の力(腎気)を落としたことで、症状が一段と悪化しています。
妊娠を考えるときにも、この土台の力(腎気)はとても大切です。まず初めの段階として、 腎気をたかめ、流産前までのお体に戻り、症状の軽減をはかること。そして妊娠とつながるような 身体作りをしていきたいと思います。
次の段階としては、もともと弱い胃腸の力を高めることによって、食べ物からしっかり栄養を取り込み、 体力気力のあるより充実した身体作りを考えていただきたいと思います。
長い目で人生を考えたときには、この胃腸の力をつけてより充実した身体にしていくことが とても大切です。心がけていただければと思います。
胃腸の力、土台の力をつけていくのに、ご自宅でのお灸はとても力になると思います。
ぜひ、継続して毎日がんばってください。
初診から週に二回で治療
1)初診
1)関元(10)ミニ灸(右太巨、右大赫)、右外関+ミニ灸、足三里、復溜灸頭鍼+ミニ灸
2)肺兪(7)
3)(腎兪、左三焦兪)+ミニ灸、中膂兪+ミニ灸 ミニ灸(左絶骨、申脈)
2)2診
初診治療当日とても疲れてだるかった
翌日起きたら頭が締め付けられるような頭痛がして、夕方すっとよくなった
1)肺兪(7)
2)(左胃兪、右三焦兪)+ミニ灸 中膂兪+ミニ灸
3)百会、関元ミニ灸、足三里、三陰交灸頭鍼+ミニ灸、右合谷、中注(7)
3)3診
2診治療後、楽に過ごせた
治療同じ
4)4診
生理前の痛みがない、生理がきてから左目の奥、左肩の痛み
1)関元ミニ灸(右太巨、右大赫)、左(合谷ー外関)+ミニ灸、右曲池ミニ灸、中注(7)
左目窓、足三里ー左三陰交(灸頭鍼+ミニ灸)、左公孫+ミニ灸
2)肺兪(7)
3)(左胃兪、三焦兪)+ミニ灸、中膂兪+ミニ灸 天中 ミニ灸申脈
8診ほど経過して
体調がよく、生理前の不調がない。両親も喜んでくれている
この一ヶ月痛み止めを飲んでいなかった。
妊娠した前後の治療
1)30診 D28
2)31診 D7
胃の痛みあり、生理痛少し、目頭は大丈夫
3)32診 D10
胃が気持ち悪い、目の奥は痛くない
4)33診 D14
D13が半分、D14、15と排卵検査薬陽性
5)34診 D20
頭の痛みの芯が消えた感じがする
7)35診 D24
調子良い
8)36診 D27
月経予定日 D29
9)37診 D35
妊娠検査薬で陽性がでました
10)38診 6ヶ月後 D39
前々日病院にて胎嚢確認
11)39診 D42
下腹から下に張りがある、毎日夜になると辛い
下腹から太ももがつる感じ。
無事に経過し3000㌘越えのかわいい女の子を出産
あとがき
早く妊娠したいというご希望でした。
しかしながら、まず体調をアップさせることを優先し、そののち妊娠を考えたらどうかというご提案をさせていただき、結果として不妊治療そのものに進むことなく、自然妊娠が成立しての素早い妊娠につながりました。
体調がよくなっての妊娠でしたので、ご本人にとっても、自信を持って日々をおくることが出来たと思います。
妊娠したいというご希望があると、どうしても、妊娠、妊娠と考えがちですが、急がば回れということも大切ですね。
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