治療指針:生活提言


顔面神経麻痺の弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



若いころから果物やお酒をたくさん摂っていたわりには、脾の病症 と思われる症状をあまり経験していない。それでも現在の左足三里の 深い溝の感触は、とてもここ数年で形成されたようには考えにくい。

思春期以降、腎気が盛んになったこと、持って生まれた脾胃の器が丈夫 であったために、症状としてはなかなか現れなかったが、閉経前後からは 腎気の衰えとともに脾胃の器も脆くなり、脾気に負担がダイレクトにかか り、左足三里や公孫の経穴が徐々に今のような状態になっていったのでは ないか。

実際、更年期には無気力感、多汗など、気虚を窺わせる症状を経験して いて、現在の左太谿の硬結、左外関・左腎兪の緩みなどの反応と考え 合わせると、この時期から腎気不足による気虚が出始めたと思われる。







また、生活範囲を小さくして養生すべき更年期に内職を始め睡眠時間 が不規則となり、腎気を回復できていない。

さらに転倒する前には、仕事と家事が多忙になりストレスも抱えるなど、 ますます腎気を消耗していった。

8月に転倒したのも、腎気不足により注意力が散漫になっていたのかも しれない。

外傷を受けた場所にその後麻痺症状が現れるが、これは外傷による 陽明胃経損傷という局所の問題だけではない。いつ頃からかは定かでは ないが、左大腿前面のひきつりも、転倒以前から陽明胃経に何らかの問題 があったことが示唆される。

そしてその根本は、それまでの脾腎の弱りがベースにあるため臓腑に気虚 が存在し、そのために経脈の気を補うことができないのではないか。顔面 のマッサージで緩解するのは、一時的ではあるが気が補われるためと思わ れる。







随伴症状の夜間の目覚めは正に腎気の弱りで、肩上部の凝りも根本は 同じで肝気が鬱滞しやすくなっている可能性はあるものの、右側だけに 出ている点など現時点の情報では要因を決定することはできない。

本来であれば、睡眠により腎気を少しでも回復しなければならないが、 すでに腎気不足のために睡眠の質が低下してしまい、ますます腎気を 回復できない悪循環を形成している。

起床時に麻痺がきついのは局所の気血の巡りの悪さとともに、この悪循環 も要因となっているのではないか。




弁証論治



弁証:腎虚:脾虚

論治:補腎:補脾







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