低血糖(めまい、動悸、過呼吸)の弁証論治


低血糖(めまい、動悸、過呼吸)の弁証論治
治療指針:生活提言




治療指針



ご自身での食への養生がとても効果的に脾気の回復を促しているので、 鍼灸治療においては、ご本人のまじめな性格により生じる強い肝鬱を適宜理気し、 器への負担を軽くし、腎気をたて器が安定し補われていくことを目指す。




生活提言



この1年のまじめで強い意志をもった食生活の改善と、しっかりと鍼灸治療を継 続なさった ご自身の努力のたまもので、身体作りは大きく前進できたと思います。

ストレスから生じた過呼吸などの強い発作は(肝の鬱熱による暴発)、身体の土 台の力(腎の力)を大きく損ねてしまい、身体の内側に熱(陰虚熱)が生じやす くなってしまい、薬でのコントロールが継続的に必要となっていらっしゃったと 思います。

この内側の熱(陰虚熱)はなかなかやっかいで、精神的なストレスでも高ぶり暴 れますし、ご自身の緊張感などでも気が高ぶると暴れます。また、土台の力が疲 労などで弱(陰虚)るとより高ぶってもしまいます。緊張や疲労などで症状が重 くなることがよくわかります。







薬はとても有難いものです。

こういった内熱をどうにか押さえてくれ、日常生活を無理なく送れるようにして くれています。

しかしながら、身体の内側の熱も、ご自身が生きていく『生命力』そのものでも あるのです。

ですので、内側の熱は押さえ込むのではなく、内側の熱をしっかりと支えられる 生命の土台を作ることが、とても大切なのです。東洋医学でいうところの、脾腎 の状態を良くしていくということです。脾腎の脾は胃腸の力。これはいまのご自 身の努力が充分に実を結んでいます。そしてもうひとつの腎は生命力の土台で す。胃腸の力は腎気も増強していきます。脾腎の力を養っていきましょう。







また、人間は『生きる意思』をもって生活しています。これを東洋医学の世界で は『肝気』といいます。食事のコントロールがしっかり出来るのも、ご自身の意 志の強さ、肝気の力です。胃腸の状態がよくなり、脾の力は回復し、だんだんと 身体がしっかりとしてきたのはご自身の良好な意思の力、肝気の使い方であると 思います。

しかしながら、この肝気の力は、ストレスともあいまみえます。同じ出来事で も、強くストレスとなるのは、ご自身の性格的なきまじめさでもありこれが肝気 の暴発とつながったり、身体の緊張感へとつながるのです。ご自身のしっかりと した、そして真面目な『肝気』は、強い味方にもなりますし、自身の内側を破壊 する刃にもなります。上手なコントロールが求められるところです。

地震などの影響で少し肝気が高ぶり、身体の土台である腎気に少し負担がかかり 辛さが若干生じていますが、この1年上手に身体作りが出来たことで、良い状態 でコントロール出来ていると思います。

まだ20代という若さです。いまのような上手なコントロールが続けば、きっと充 分に回復出来ると思います。22歳ぐらいの程度にまで戻り、生理という身体の中 におこる波も乗りこなせるようにしていきましょう




その後の経過



その後、穏やかに経過し、いろいろなトラブルもそれなりに対処。大きな心身への負担 となることもなくなっていった。住環境が大きく変わったり、生活環境の変化もあった が、食事と運動、生活のリズムがご自身の日常となり落ち着いた経過をとるようになっ た。

2012年終わり頃、無事に3500グラム弱の赤ちゃんを30歳にてご出産。 おめでとうございます(^^)。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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