治療指針;生活提言


肩こり頭痛身体がだるい弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



主訴である肩こり、頭痛は31歳の出産のあとから徐々に起こるようになった。 この肩こりや頭痛は、生理前や人ごみへの外出後、疲れや睡眠不足で起こりや すく、ヨガを習っていた6年間は症状が楽であった。これらのことから、産 後、充分に腎気を回復することが出来ず、肝気が立ちやすくなり、肝鬱になり やすくなったと思われる。

この気機の疏泄の悪さは、腎虚で弱った下焦に子宮筋腫を生じることとなり、 30代のあまり体を動かさない生活により、体重も10kg近く増え、ますます気機 の滞りを起こしやすくなっていたと考える。40歳でヨガを始めて気機の疏通が 良くなり、肩こり、頭痛はかなり軽減した。しかし大きくなった子宮筋腫を改 善するには至らず、貧血がひどくなったため、子宮を摘出することとなった。







48歳でヨガを止めるとまた疏通が悪くなり、肩こり、頭痛が起こるようになっ ていった。しかし、子宮筋腫を摘出し、物理的に気機の疏通を妨げるものが無 くなっていたこと、またヨガをしている間の肝鬱による腎気への圧迫が少な かったことが腎気を養うのに繋がったのか、48歳以降の肩こり、頭痛は、それ 以前のそれらより症状がましであった。

49歳秋から肩こり、頭痛がきつくなり始め、他にも体がだるかったり、冬の寒 さがきつく感じるようになった。現在、右風門に発汗があることから、風邪が 内陥している可能性が考えられ、この内陥が起こったのがこの秋頃であったの ではないかと推察される。そのため風邪との邪正闘争が肝気の鬱滞を一段強く し、肩こり、頭痛の頻度が増えたと思われる。

50歳からパートの仕事を増やし、肉体的に疲れがきつくなっている。仕事を増 やしてからは、動悸やふらつきを感じることが多くなり、夕方に足がむくみや すくなった。これは、働くことで活動量が増えたことにより一晩の睡眠では腎 気が充分に補えず、翌日に疲れがよく残るほどに腎気に負担を掛けていること が窺える。そのため腎虚から陰虚熱が起こりやすくなり、心に影響しては動悸 がし、お風呂に入って温まりすぎるとこの陰虚熱がのぼることを助長してふら つきを起こしやすくしていると思われる。

しかし肩こり、頭痛は去年秋と比べて悪化傾向に無いことを考えると、慣れな い職場で気疲れはあると思われるが、体を動かしていることにより、肝鬱をき つくせずに済んでいると考える。つまり腎気への圧迫はあるものの、肝鬱がき つくなっていないことは、まだ産後のような悪循環には陥っていない状態のと ころで留まっていると言える。

またこの肝の疏泄の悪さは、西洋医学的な検査で判明した不整脈や血流の戻り の悪さに繋がっているとも考えられる。そして白膩ぎみの舌苔や脾募などから 内湿の存在が窺え、より一層気機の疏泄を増悪させていると思われる。もとも と器の丈夫な脾胃が身体を支えてはきたものの、今までのように夜遅くに食べ ると翌朝胃が重くなるというように、ここにきて脾胃の弱りが深くなってきて いると思われる。足三里や脾兪、胃兪の状態、舌中央部付近の剥苔からも、脾 胃の気虚がきついことが窺える。




弁証論治



弁証:風邪の内陥、肝鬱、腎虚、脾虚

論治:去風散寒、疏肝理気、補腎、健脾







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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