お体を拝見すると、目立つのが、瘀血所見です。
首骨盤部の細絡、舌辺の明瞭な瘀斑、舌裏の怒脹、左三陰交から復溜のかけての 詰まった感じ、左少腹急結などです。また、同一視することはできませんが、西洋医学的な所見で 腹腔内に広がる子宮内膜症の存在も指摘されており、瘀血の存在は肩こり、不妊と大きく関わる 状況でしょう。
夏に体重が落ちて全身状態が辛くなるようなもともと気虚気味ではないかと思わせる状況のうえ、 現時点でも関元の抜け、左三焦兪の陥凹、寝起きが悪く翌日に疲れが残ることが時々あるなど 腎気不足を思わせる所見があります。また肺兪の発汗、左右太淵の腫れ、喉の違和感、 いがらっぽさなど風邪を引き込んでいるとも思えます。
気虚腎虚気味の状況では毎日の日常生活をおくるのにも肝気をはって頑張らなければ ならない状態となり、この腎虚肝鬱の状態が長い間続くことにより瘀血を生じてしまったものと思われます。
現在の瘀血の状態は、皮膚の外側胆経や骨盤部に大きく広がる皮膚の荒れや舌の状況など 全身に広がる状態であるのに生理痛がほとんどないという状態です。これは子宮骨盤部での気滞 そのものはそれほど強くなくこの瘀血状態が気虚腎虚から広がったものであるからではないかとも思われます。
またその上に、風寒の邪が内陥したことにより、 肝鬱の状況がさらにきつくなり瘀血状況を悪化させたのではないかと思われます。
弁証:
腎虚が中心の気虚瘀血 風邪の内陥論治:活血化瘀(オ)、益気補腎
疎風散寒
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