治療指針:生活提言


42歳二人目不妊→妊娠弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



主訴は妊娠したいということである。

38才で第一子を出産後体調は回復し、39才で再度妊娠したものの流産となった。 出産前後には生理の状況は変化がなく、流産後から生理周期が長くなり始めており(そのほかは変化がない)、再度の妊娠がなかなか成立しないという状況である。

いままで大きな病気もなく、ご本人が自覚するような体調不良は問診上ほとんど出ていない。 翌日に疲れが残ることもなく、睡眠、食事の状態もよく、日常生活にをスムーズにおくっている ということである。







そういったあまりご本人にとって健康上は問題のないという状態ではあるが、お身体を実際に切診し拝見すると、舌に歯痕がありやや胖嫩、左列缺こそげ、左右霊道がこそげて薄いなど全身の気虚、気血両虚が感じられる。脾胃の状態も、督脉の脊柱がつぶれ左胃兪が横に流れ、中脘から下脘に力がなく、左右の足三里の陥凹と弱さを示しており、腎気の状態も背部兪穴の三焦兪腎兪が大きく陥凹し筋張りの下支えとなっていること、腹部全体の冷え、左右外関の動きの悪さ、左右腎兪、三焦兪の陥凹などから弱さは明瞭で存る。

全身の気血両虚、そして脾腎の弱さをこれだけ示している状態でありながら、ご本人が『さほど日常生活に問題は感じない』という状態であるのは、ご本人の意識にはないが日常生活を支えるために、常に肝気を張っていると思われる。舌の戦、肝の相火、20代から感じる肩こり、便秘などは、その日常生活を支えるための肝気の張りから生じていると思われる。







30歳の時に、肩こりのため肩井部を押してもらったところ、筋肉がひきつり、脂汗がでて、ろれつが回らなくなり、冷や汗が出ると言うことがあった。この患者さんの肩こりは、全身状態が気虚であるため日常生活を維持するために肝気をはっているので発生しているものである。肩井部を急激に押したことにより、肝気が大きく動き内風を生じひきつりろれつがまわらなくなり、肌表では肺気が失調し冷や汗がでた。

気虚の素体を、それなりのバランスで支えていた肝気の状態が大きく乱れてしまい、気虚である状態が急に表に出たので冷や汗が出たり脂汗が出、2週間にわたって症状が継続したものと思われる。このように大きく変調してしまう全身の『敏感さ』ではあるが、この敏感さが、気虚気味の全身を上手にバランスをとりまとめ上げているものともなっている。







肝気を張りながら、上手にバランスの取れた状態であったものの脾気の弱さ、任衝脉の養いの弱さがあったために母乳の出も悪かったのではないかと思われる。日常的な肝鬱によって相対的に下焦では気が薄くなり、左の少腹急結、右の臨泣の動きの悪さ、生理に塊が混じるなどのオ血が生じており、第一子出産後の流産によって、腎気が一段と落ちてしまい、再度の妊娠が難しくなっているのではないかと思われる。




弁証論治



弁証:腎虚 任衝脉への養いの不足

論治:益気補腎 補益任衝







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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