湿疹の弁証論治
病因病理:弁証





まず、小児喘息、鼻炎傾向や卵アレルギーといった問題は、私という器が小さく、 敏感に反応していたためにおきていたのだろうと考えました。

柔道を始めて以降は肉体的な充実が得られたことで、器が充実。そのため、症状がなくなっていったのだろうと。このことか ら先天は決して弱くなかったということが言えると思います。

小児期では泣くということで、柔道を始めてから体を動かすこと、中学生以後も部活動で体を動 かすことで肝気をうまく発散できていた。(肝気を張ってもこ の時点では成長した器の範疇でうまく回っていた)






しかし、高校に入学しアルバイト等を始めたことでそれまでに成長していた器をこえる負荷がかかり、腎気を消耗していくこ ととなり、消耗した腎気は肝気を十分に収めることができなくなる。その結果肝気を張ることで生活を成り立たせようとそれ まで以上に肝気を張ることになってしまう。その影響は脾におよび、脾虚による運化の低下が体重の増加に繋がったのでしょ う。

脾虚により今回問題となる内湿が生じたと考えているのですが、それはひとまず 置いておいて、脾虚による問題は消耗した腎気を補うことができなくなってしまった事が重要であると考え ます。それまで肝気を収めようと、へたりつつも頑張っていた腎気は脾による後天の力で踏みとどまっていたわけですが、脾 虚により後天のバックアップも期待できなくなってしまい腎気はますます消耗し、風邪が進入しても外へと払う力、生命力そ のものが弱まっていってしまう。そうした問題を示すものが風邪の内陥した状態であったり、慢性的な疲労感であるのだと思 います。

こうした流れの中で収まるべき拠りどころを失った肝気は鬱結・上逆・熱化して いったのでしょう。






さて、今回問題となってくる内湿は上でも述べたとおり脾虚により生じたものだと思います。そして、生じた内湿は腎虚によ り十分に排泄できなかったため身体に停滞し、軟便・下痢、鼻閉・鼻汁といった問題が起きているのでしょう。

身体に停滞した内湿は、肝気によって生じた内熱・内風(鬱結した肝気により肝風内動が起きている)と絡み合い、発症部位 の一定しない蕁麻疹という今回の主訴を引き起こしたものと考える。また、肝鬱により十分な蔵血作用が働かなくなっている ことで肝血不足となり、入眠困難となっているし、肝血不足は更なる内風を生じやすい素体を作っている。

今回、直接的な原因となっているのはバリバリになった肝気と内に停滞した湿邪であるが、その背景には腎虚が隠れており、 それを立て直さなければ一時的に直ったとしても再び起きる可能性が十分に考えられる。




弁証論治



弁証:肝風内動 湿熱内盛
論治:疏肝理気 去風清熱去湿

といった方針で攻めていきたいと考えますが、ある程度症状が 落ち着いてきたなと判断できた時点で腎気を立てることをメイ ンに変えて治療を行っていく。








主訴:問診

時系列の問診

四診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治











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