病因病理:弁証論治H説


積があっても元気な弁証論治
病因病理:弁証論治N説




現段階では、ご自身が自覚するような身体の不都合もなく、 生活を営まれているということである。

忙しくなると腰痛が悪化したり、寝起きの疲れが 抜けなかったりという腎虚の傾向が見られたり、肝欝による生理の遅れ、 それに伴う便秘、吹き出ものなどの、諸症状は見られるが、

20歳代という若さもあり、日常生活の中で特に問題とすることもなく、 過ごしていける範疇なのであろうと思われる。

ただ、身体の要所要所の冷えは、腎陽の不足であると考えられ、 諸症状の悪化につながっていくものなので、 靴下はくるぶしまであるものを履くなどの、日常の小さな心がけが必要であろう。






さて、この方の身体で治療者側からみて、一番気になる点は、 下カンの積である。 握りこぶし大の大きさ、拍動があるにも関わらず、 今まで、痛み、四肢の痺れなどの自覚症状はないという。

本人の生活習慣から考えても、特に脾に負担をかける生活をしているとは考えられ ず、この積は先天的なものであると考えられるだろう。

本人の自覚症状のないまま、この積は現段階でどのような影響を及ぼしているので あろう。






慢性的な便秘、両脾募の状態、手足がむくみがちであること、 身体を重く感じることなどから、脾の運化作用が弱く、 湿をためこみやすい体質であることが伺えるが、 これはこの先天的な積の存在が気血の流れを阻滞し、 脾の器が成長、成熟するべきときに、 充分に育つことを妨げてしまったためではないかと考えられる。

そのため、脾の器は脆弱なまま現在にいたり、 それをフォローするために年齢の割には、 腎気を酷使しがちな素体なのではないだろうか。

小さい頃から油物は食べない、万が一食べると下痢をするというのは、 できるだけ脾に負担をかけない、ひいては積を悪化させないための、 本能的な防御反応なのではないかと思われる。






先天的な積を持ち、そのために生まれながらの脾虚体質である。
飲食不節、労倦には充分注意し、脾に負担をかけないことを心がけ、 家系的にも、身体の中に滞りが起こり易い体質であることを鑑み、 今後の積の変化には充分注意を払っていく必要があると思われる。






【弁証】脾虚。気血滞積。

【論治】健脾益気。利気活血







主訴:問診

時系列の問診

四診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治N説

病因病理:弁証論治H説











一元流
しゃんてぃ治療院